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ソルティーロが本田圭佑を超える日 特別編 「ロシアW杯までに300校。日本一のサッカースクールへ」
posted2014/08/29 10:30
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Shigeki Yamamoto
「夢は人を大きくする。夢は人を強くする」
サッカーを通じて、夢を持つことの大切さを伝えたいという理念のもと、2012年5月に発足した本田圭佑プロデュースの「ソルティーロ ファミリア サッカースクール」が3年目に入ってスクール数を大幅に拡大している。
関西地区を中心にスタートしたソルティーロは、2013年6月の清瀬校開校とともに東京に進出すると、関東圏でも次々にスクールを立ち上げてきた。今年9月、10月には千葉エリア初となる佐倉校、千葉校、市川校、柏校の4校に加え、神奈川エリアにも戸塚校、相模原校、海老名校、大井町校の4校を開校する予定で、これをもって計35校となる。
本田圭佑の掲げる目標は、2018年ロシアW杯までに全国で300校。
ソルティーロの現場を統括し、指導ディレクターとして本田圭佑プロデューサーと日々、議論を重ねている鈴木良介コーチは、その根拠をこう語る。
「300というのは、発足当初から本田選手が言い続けている数字です。日本で一番大きいサッカースクールが約120校程度の規模。ならば、ソルティーロが日本一になるためには300だろう、と。150でも200でもなく、300を目標に据えるところが本田選手らしいですよね(笑)。みんなが絶対に無理だろうというところに目標設定をするのが、ホンダメソッド。彼がW杯優勝を目指しているのと同じような感覚で、僕らも高い目標に向かって進みたいと考えています」
本田の理念を共有する50人のスタッフたち。
確かに、ひとりでも多くの子供たちに「夢を持つことの大切さを伝える」という点では、全国津々浦々にスクールが存在することはソルティーロの理念にかなっている。さらに、料金設定を見れば、その目的が利潤の追求に向いていないことも理解できる。
だが、スクールの数を増やすことで、指導の質や密度が薄まっていく危険性はないのだろうか。
「もちろん、規模を大きくすることのデメリットも十分認識していますし、親御さんからも、その懸念は耳にしています。だからこそ、量と質を両立させるべく何よりもコーチ陣の育成に力を入れています」
現状、ソルティーロは約50人のコーチ、スタッフで運営している。
常時200人以上いる応募者の中から、鈴木が実際に会って話をし、子供たちへの指導の現場に立ち会った上で、ソルティーロの理念を共有できるかどうかを見極めているという。