制限時間を超えると、“大事なもの”が爆破される。

　男色ディーノvs.マッスル坂井のEXTREME級選手権は“インポータントサムシング時限爆破デスマッチ”。試合時間が10分を超えると、選手の“大事なもの”が爆破される闘いだ。“大事なもの”として賭けられたのは、ディーノの友人である山里亮太（南海キャンディーズ）。ちなみにこのルールは、現在、新潟にある実家の金型工場で専務を務め、新潟大学大学院の技術経営研究科に通う坂井がビジネス用語を駆使した“煽りパワーポイント”でプレゼンを行なった。

　もはや説明の必要はないだろうが、この試合に“力と力の真っ向勝負”的な要素は一切なかった。バックステージで腹痛をおこしたディーノの代わりに、コスチュームを着た山里がリングイン。ゴングが鳴ると、闘いは大喜利対決に移行した。

「ブタゴリラより弱そうなガキ大将のあだ名を教えてください」、「プロレスラーがやりがちなデートでの失敗とは？」といったお題に名回答が連発される中、ついに本物のディーノが登場。『情熱大陸』のエンディングテーマとして知られる『エトピリカ』が流れ、映画のクライマックスさながらのスローモーションの攻防に（選手が本当にゆっくり動く）。最後は時間切れにより山里の肛門が花火で爆破され、直後にディーノが丸め込みで勝利。場内暗転、そして終了。念を押しておくが、これはあくまで本当に会場で行なわれた“試合”である。

「お客さんにウケればあり」なのがDDT。

　恒例の路上プロレスも実施された。国技館全域を使った闘いに挑んだのは高木三四郎＆葛西純vs鈴木みのる＆中澤マイケル。パンクラス創設者の一人であり、現在は新日本プロレスで活躍する鈴木だが“プロレス頭”はとてつもなく柔らかい。

　試合は会場外の階段から始まり、通路、トイレ、2階客席と乱闘が続く。鈴木はマス席で観客に囲まれながら腕十字を決め、高木はこの日のために用意した公認凶器「ドラマティック・ドリーム号」（ママチャリ）を持ち出すも自爆。それを奪った鈴木がマイケルを花道で思い切り轢き、葛西と鈴木がイスで殴り合い、最終的には鈴木がマイケルを見限って3人で仕留めた。ここでも念を押しておかなければならないだろう。ここまでやっても「お客さんにウケればあり」（高木）なのがDDTのプロレス、DDTが考えるプロレスの幅なのだ。

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