野球善哉BACK NUMBER
星稜、甲子園で16年ぶりの1勝。
“見逃し”から生まれた逆転劇。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2014/08/12 17:30
激しい試合を制した後、星稜の林監督は「逆転は自分たちのスタイル」と話した。星稜ナインを“諦めさせる”ことは簡単ではない。
勝つときというのは、そういうものかもしれない。
あの時、中村が待っていた球が来ていなかったら……。
あるいは、ボールが外れていたら……。
結果は違うものになっていただろう。
しかし不思議なもので、勝つときというのは、そういうものなのかもしれない。村中は言う。
「甲子園に入った時に、林監督からこの代で新しい歴史を作ろうと言われました。16年ぶりの勝利ということで、扉を開くことができてよかったです。でも、まだ満足はできません。県大会で破った小松大谷の想いを背負って、これからも勝っていきたいです」
数々の伝説を作ってきた星稜が、この不思議な力でどこまで勝ち進むのか。まだまだ目が離せない。