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開幕前の優勝候補が降格圏目前に!?
セレッソを襲った「怪談」の理由。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byAFLO SPORT
posted2014/08/02 10:40
W杯で内田とともに安定したパフォーマンスを見せた山口蛍だが、柿谷を欠き、バランスを失ったセレッソの復調はまだ成し遂げられていない。
「J2降格」という悪夢は現実になってしまうのか。
「監督が来て、まだそんなに時間も経ってないし、新しいシステムに慣れるにも時間がかかる。今結果が出ていないのは、監督というよりも自分たちのミスが多くて自滅しているからやし、これが今の自分たちの力だということ。それを謙虚に受け止めて戦っていかないと、ズルズルといってしまう」
山口は、危機感で一杯だ。
チームが徐々に順位を下げる中、すでに下位チームは大幅なテコ入れを始めた。新潟は、FW指宿洋史やMF山本康裕、徳島はDF村松大輔とかつてセレッソで活躍したFWアドリアーノを獲得した。セレッソは今夏の移籍組の平野甲斐やキム・ソンジュンらがいいパフォーマンスを見せ始めているが、平野は鳥栖戦で故障し、柿谷の抜けた穴を埋めるような大型補強はまだない。チームはなかなか光明を見出せないでいる。
「これからは開き直って戦うことが大事かなと思います。ここまで落ちれば失うものはないし、ひとつ勝てば流れも変わるかなと思うんで。どんなぶざまな勝ち方でも絶対に勝つんやっていう気持ちでやっていきたい」
山口は、悲壮な決意でいる。
8番がピッチから消え、真夏の怪談のように出てきた「J2降格」は、このまま現実になってしまうのだろうか。8月最初の新潟戦は、今後を占う重要な試合になる。