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“ダメ起用”の批判を覆した男、
山口鉄也が中継ぎ投手の未来を開く。 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2014/06/27 10:30

“ダメ起用”の批判を覆した男、山口鉄也が中継ぎ投手の未来を開く。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

2008年から昨季まで6年連続60試合登板のプロ野球記録を樹立したほか、通算202ホールドも歴代1位。今後、記録をどこまで伸ばせるか。

 今年のニューヨーク・ヤンキースの一番の話題と言えば、もちろん移籍1年目にして“エース”の称号を手にした田中将大投手であることは言うまでもない。

 ただ、この田中の陰に隠れているが、今季のヤンキース投手陣でもう一人、大きな役割を演じている投手がいるのをご存知だろうか。

 身長2m3cm、体重118kgの巨漢右腕、デリン・ベタンセス投手、26歳である。

 ベタンセスは田中のように先発で派手な活躍をしているわけではない。また今季からあのマリアノ・リベラ投手に代わるクローザーを任されているわけでもない。この右腕に与えられている仕事は、クローザーのデビッド・ロバートソン投手につなぐ中継ぎとセットアッパーという役割なのである。

先発で芽が出ず、リリーフに転向して開花。

 昨年の開幕前にはMLB.comのトッププロスペクト(若手有望株)19位にランクされた期待の先発投手だった。しかし、3Aでは先発で全く結果が出ずに、6月にチームは先発で育成することを断念してリリーフに転向させた。

 ここで天職を得たように頭角を現して、8月にはメジャー昇格。その結果、今季はC・C・サバシア、イヴァン・ノバ、マイケル・ピネダ各先発投手が次々と離脱して先発投手の頭数が足りなくなっても、一貫して専門職のリリーフ投手として起用され続けているわけだ。

 開幕から約3カ月が経過した6月23日(日本時間24日)時点で、31試合に登板して4勝0敗、防御率1.50。42イニングで70個の三振を奪い、奪三振率15.0はメジャーのリリーフ投手の中でもトップクラスの数字となっている。勝ちゲームを確実に確保するキーマンとして、ベタンセスの存在感は日増しに高まっているわけである。

 頼りになる先発は田中だけと言われるヤンキースでも、何とか地区2位のポジションを確保して優勝争いを演じられているのは、実は勝てる試合を継投で何とか勝ちきっていることに尽きる。こうして勝ちを拾っていくための重要な戦力として、これまでもクローザーの存在はそれなりに注目を浴びてきた。ただ近代野球ではさらに中継ぎ、セットアッパーの存在価値が大きく増しているのである。

【次ページ】 中継ぎを重要視する巨人・原辰徳監督。

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