ブラジルW杯通信BACK NUMBER
日本、コートジボワールに逆転負け。
ドログバ投入後、崩された左サイド。
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2014/06/15 15:30
キャプテンの長谷部は「自分たちを表現できなかった」と悔しそうに試合後にコメント。コートジボワールのサブリ・ラムシ監督は「ドログバがピッチに出て、すべてが変わった」と語っている。
細かい部分の詰めが、もっともっと必要!
オーリエをフリーにさせたことも反省すべき点だ。吉田は「ミーティングでも両サイドバックがクロスをどんどん上げてくるという話はしていたのだが、ボールホルダーへのプレッシャー、僕のポジショニング、中のマーク。ひとつひとつのズレが失点につながった」と唇を噛んだ。
自身のサイドを破られた長友はこう言う。「相手の両サイドバックはウイングみたいな位置にいたので、真司も引っ張り出されて、サイドで数的不利になるときが多かった。相手のサッカーにはまった」
日本は1-2と逆転された直後、大迫勇也に替えて大久保嘉人を、終盤には香川に替えて柿谷曜一朗を送り込んだが、ともに見せ場を作るまでは至らなかった。ピッチに立っただけでチームをガラリと変えてしまったドログバが余計に輝いて見えた。
5回連続5度目のW杯。選手たちは「日本サッカーのスタイルを世界に示すための大会」という意気込みでブラジルのピッチに立っている。この思いに関し、23人のブレはない。
ただ、コートジボワール戦で見せつけられたことは、細かい部分の詰めをもっとしていかなければいけないという明白な事実だ。
攻守の意思疎通は足りているのか。
ピッチで見せる気迫はこれで十分なのか。
内容と結果の両方を自分たちに求めている、ハードル設定の高い大会。初戦に敗れたのは痛いが、ここでひるんでいる場合ではない。
第2戦で対戦するギリシャはコロンビアとの初戦を0-3で落としており、こちらも後がない状況だ。サバイバルとなる一戦へ向け、日本代表は短時間での修正が迫られる。