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デルボスケ、“賭け”にでた23人。
スペイン代表メンバー、3つの論点。
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2014/06/04 10:40
レアル・マドリーでCLを2度、そしてスペイン代表を率いてW杯、EUROを制覇。この3つのタイトルを手にした監督は史上ただ一人だ。
「スペイン代表のコスタ」はキーマンとなるか。
リスキーなのはジエゴ・コスタの招集だ。
昨年秋、デルボスケはワールドカップへ連れて行くことを餌にコスタをスペイン代表に誘った。了承した彼は「今後招集してくれるな」とブラジルサッカー連盟に書面で申し出た後、去る3月の親善試合イタリア戦でスペイン代表の一員となった。
よってコスタのメンバー入りは予想どおりであり、期待どおりでもあるのだが、気がかりなのは右大腿部の故障である。
当該箇所をコスタは4月上旬に軽く痛め、1カ月後に再び痛め、無理をしてリーガ最終節バルサ戦に出場したところ、全治15日の肉離れに悪化させてしまった。なのに翌週のCL決勝戦にも出場し、試合後、代表のドクターに改めて全治15日を言い渡された。
この時点で初戦オランダ戦まで18日。加えて、コンディション不良のせいで新しいチームメイトとの練習が捗らない点も懸念される。
それでもデルボスケは、ナバスは諦めたにも拘わらず彼をリストに加えた。
ただ約束を守るためではなく、タイトル防衛にはコスタの力が絶対に必要と考えたのだろう。なにしろ「スペイン代表のコスタ」は対戦相手にとっては未知のフォワードであり、味方にとってはかつてないタイプの武器なのだから。
スペイン代表にキーマンは何人かいるが、コスタも間違いなくその1人。
デルボスケの賭け、当たったときは相当でかそうだ。