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「ロンドン世代ドイツ組」清武とW酒井。
ザックジャパンの序列を覆せるのか。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2014/05/21 10:40
オランダとの引分けに続き、ザックジャパンの上昇気配を決定的なものにしたベルギー戦で、清武弘嗣、酒井宏樹、酒井高徳は揃ってスタメンだった。W杯本大会でも流れを変える役目を担えるか。
長谷部とともにプレーしたことで清武が得た収穫とは?
普段からメンタル面の重要性を解いてきた清武は、今シーズンのニュルンベルクで大きな収穫があったと感じている。
「1年間、ハセさんのそばでプレーできたことが自分にとっては一番のプラスだったのかなと思います。すごくリーダーシップがあって。ニュルンベルクに来てからも、1日くらいでみんなが慕っていたというか。一緒に生活していくなかで、練習していくなかで、徐々にそういうのがわかってきたなと思います」
奇しくもその長谷部は4年前、ゲームキャプテンを任される前の時点からこう語っていた。
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「誰がリーダーとかではなく、自分がチームを引っ張っていくくらいの気持ちでやらないといけない」
4年前の長谷部がいきなりキャプテンマークを巻く状況になっても活躍できた理由の一つには、そうした心構えがあったからだろう。もし清武がいきなりスタメンに名を連ねた時、もし得点が欲しい時に試合途中から起用された時、活躍するための原動力となるのは、長谷部から学んだチームを引っ張る気持ちではないだろうか。
別メニュー調整だった酒井宏樹も、右ひざの状態は上向き。
5月17日からヨーロッパでプレーする選手による合同トレーニングでは、シーズン終盤に追った右ひざの負傷のために他の選手とは別メニューでの調整を続けた酒井宏樹だが、「一番(状態が)ひどいときはもう終わりました」と話すなど、心配はいらないという。別メニューでの調整をしてきたのは、5月21日から始まる鹿児島での日本代表の合宿にベストな状態で取り組むためだ。
彼はロンドンオリンピックの例を引き合いに出し、初戦となるコートジボワール戦の重要性を説く。
「(大事なのは)初戦から(勢いに)乗ることですよね。もちろん、今のA代表に力があるのはわかっています。ただ、あのときに僕らオリンピック世代があそこまでいけるなんて誰も思っていなかったでしょうし。(初戦のスペイン戦で)勝てたのが、ベスト4に進んだ理由になったのは間違いないので」