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田中将大がメジャー公式戦初勝利!
不敗神話支える驚異の“スプリット”。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2014/04/05 17:30
田中の初勝利に大きく貢献したイチローは「今日は通常の精神状態を邪魔するものが一番多い日なのに……7回を100球以内に終わらせるのは、凄いね」とコメント。田中は試合後も「まだ1試合終わっただけ。いいピッチングを続けていきたい」と厳しい発言。
田中の“不敗神話”はどこまで続く?
いくら上々のスタートを切ったとはいえ、まだ1試合投げたに過ぎない。
これから故障をしない限り、最低でも今季30試合以上に登板し、しかも、日本では経験のない162試合という長丁場を中4日、中5日で投げ続けなければならないのだ。まさに田中にとって未知の領域に他ならない。
そんな状況の中で、誰も田中の“不敗神話”がこのまま続くとは思ってはいない。
しかし、彼がマウンドに上がる度に、チームの勝敗に関係なく最低限でも今日のような投球を求められることになる。それがこの日の投球で田中がニューヨークのメディアとファンに示した自らの“ハードル”なのだ。
ヤンキースの選手たちが絶対に通らなければならない“茨の道”に、田中もその一歩を踏み出した。今後、この険しい道のりを“薔薇色の道”に変えられるかどうかは、すべて田中の右腕にかかっている。