ロナウドよりも、控えのイスコの方が輝いていた!?

「先発には驚いたけど、常に準備はしている。監督に、どんなシステムでもプレーできるってことを見せたかった」

　イスコは今季開幕直後こそ先発だったものの、その後は控えに回り、不遇のシーズンを送っていた。定着したアンチェロッティの4-3-3には、彼のトップ下のポジションはない。サイドに開くウイングは得意ではないし、なによりそこにはロナウドとベイルがいる。イスコが出場機会を掴むには、3ボランチの一角しかなかった。

　チャンスを与えられたイスコは監督の期待に見事に応えた。

　ボールを持った際のアイデアやセンスは、豪華なマドリー攻撃陣の中でも際立っている。エリア手前中央から決めた2点目は、彼の能力の高さを示すものだ。

　得点こそ決めたが負傷によるコンディションの悪さがうかがえたロナウドはいまひとつの出来だったが、イスコの活躍はチームにとって明るいニュースだった。

「4－1の悲劇」の戦犯ペペが、獅子奮迅の活躍！

　昨季の悔しさを抱えていた、もうひとりの選手がいた。それが「4－1の悲劇」の戦犯とされたペペだ。

　レバンドフスキをマークしていた彼は第1戦で相手に翻弄され4得点を決められるという、まさに悪夢のような90分間を経験している。当時のペペのコンディションは良くなく、緩く不安定なプレーには批判が集まった。

　しかしこの日、ペペはドルトムント相手にパーフェクトな守備を見せる。

　出場停止のレバンドフスキこそいなかったが、最後尾でロイスやムヒタリアンの突破を度々抑えた。ファウルは、90分間でたったの1度。一方でボール奪取の回数は8という、驚異的な数字を出している。

　象徴的なシーンは、エリア内でのムヒタリアンのシュートを飛び込んでブロックし、カシージャスと抱き合ったものだ。ベルナベウの観客はペペの名を連呼し、拍手を送った。センターバックがそのような賛辞を受けるのは、珍しいことでもある。

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