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パ・リーグはなぜ観客が増えたのか?
顧客を魅了するイメージ戦略を考える。
text by
葛山智子Tomoko Katsurayama
photograph byHideki Sugiyama
posted2014/03/05 10:40
昨年のパ・リーグにおける千葉ロッテvs.東北楽天のクライマックス・シリーズ。立錐の余地も無いほどの観客がスタンドを埋め尽くした。
やるべきこと、やらないことを切り分ける。
パーセプションを創り、有意性を持たせるには「あれもこれも」ではだめなのである。
これはやりますが、これはやりません、と「やらないことを決める」ということが大事なのだ。またそれが実現可能なのは「どういう顧客に魅せるべきか」を決めているからである。全員を魅了するわけではなく、「夜も遅く、朝も早くにチェックアウトするので、ホテルでは眠るだけ。とにかく一にも二にもよい睡眠をとりたい!」と願う人だけに狙いを定めているからこそなせる業なのである。
つまり「どう魅せるか」と「誰を対象にして、魅せるか」は常にセットで考える必要がある。ゆえに、魅せる活動を始める際には、まずはターゲットはだれで、その人たちは何に価値を感じる人なのかの分析から始めてみることが重要であろう。
そして、それを定めたら、やるべきことを決める。やるべきことを決めるということは、「やらないことを決める」ということであり、有限の資源を「やらないと決めたこと」に使うのではなく、やると決めたことに集中的に使うことが肝要である。