野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
プロ野球ファン最大の関心事!?
背番号をめぐる悲喜こもごも。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKYODO
posted2010/12/28 10:30
斎藤佑樹の背番号は「18」。他チームで同じ番号だと、田中将大(楽天)、前田健太(広島)、涌井秀章(西武)などエースが多い
宮本の背番号を要求したヤクルト・T-山田の度胸。
一方、新入団組では、巨人ドラフト1位の澤村拓一がドラフト指名時にエース番号「18」を熱望していたが、背番号は15に決定。同姓の大先輩「沢村栄治の14をひとつ越える」という意味で納得したが、来季以降「18」獲りを目指す。
日本ハムは斎藤佑樹がさすがの王道、エース番号「18」で決定。阪神2位の一二三は背番号も「123」が期待されたが、現役登録は99までということで「36」。その昔、2×4が8(元巨人・仁志)というのはあったが、12×3が36という強引さはなんともはや。ロッテのドラフト3位小林敦は、メジャー移籍を目指して退団した小林宏の「41」を受け継ぐ小林リレー。オリックスのハズレハズレハズレ1位、後藤は嘉勢以来の高卒ひとケタ「8」と、藤井、ローズなどがつけた1位に相応しい期待の番号を与えられている。
関係者を凍りつかせたのはヤクルトの高卒新人T-山田。スカウトの指名あいさつ時に「背番号6がほしい」と言ってしまった。履正社の部長にたしなめられ翻意したようだが、現役のチームリーダー宮本の番号をよこせと言ってしまう度胸は、父がかつて巨人にFA移籍した際に篠塚に「とおちゃんに背番号6をよこせ」と言った落合フクシ氏級。その将来を期待せずにはいられない。
ドラゴンズの象徴たる「3」を継承するドラフト2位の吉川。
そして今年の新人背番号の最大のトピックは、やはりドラゴンズ。立浪以来空位となっていた背番号「3」をドラフト2位の吉川に与えたことであろう。昨年の立浪引退後には永久欠番への署名運動が行われたほどのこの番号。一時は森野が「3」を継承すると発表されるも、「自分にはまだ早い」と一転辞退し空位になっていただけに、随分と思い切った決断である。
「『3』は永久欠番にするべきだと思っていたけど、決まったものはしょうがない。ただ、ものすごく重い番号なだけに吉川が3のプレッシャーに潰されないか心配ですね。あと森野は大丈夫なんだろうか……今の30も暫定ぽかったのに、つくづく背番号に恵まれないですね」(中日ファン)
そのドラゴンズは毎年、ドラスティックな背番号シャッフルで選手のやる気を発奮させている感がある。来季は大島を「32」→「8」にする一方で、高校時代から愛着のあった平田の「8」、兄と同じ新井の「25」を剥奪(後日、阪神へ移籍)と、今オフも容赦がない。