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対巨人“戦意喪失”を克服した広島。
真っ向勝負の志を生んだキラ効果。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNaoya Sanuki

posted2013/10/29 10:30

対巨人“戦意喪失”を克服した広島。真っ向勝負の志を生んだキラ効果。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

CSでは敗れたものの、レギュラーシーズンでは3勝0敗と巨人への抵抗の先鋒となった前田健太。

強いチームには、日本人スラッガーが2人必要。

 と言っても広島の弱点が攻撃陣にあることは変らない。規定打数に達したのは打撃成績15位の丸佳浩(打率.273)、20位の菊池涼介(打率.247)の2人だけ。これはヤクルトの1人(バレンティン)に次ぐ少なさである。

 投手陣をより溌剌とさせるためには攻撃陣の後押しが必要、というのはここまで書いてきた通りだ。そのためにはキラ、エルドレッド以外の日本人スラッガーが不可欠。攻撃陣を預かる野村監督、緒方孝市、新井宏昌両コーチは日本人選手の台頭に力を発揮できるのか、というのが今オフからの課題である。

 個人的な話になるが、私は根本陸夫監督で初めてAクラス(3位)入りした'68年、広島のファンになった。同年のドラフトで法大のスラッガー・山本浩二がドラフト1位で入団し、レギュラーになったばかりの同学年の衣笠祥雄とクリーンアップを組んだら、と夢想したらたまらなくなった。広島ファンの夢はそれから7年後、優勝という形で結実するのだが、本当に強いチームには当時の広島のように和製大砲が2門備わっている、というのが私の中で常識になった。

◇清原和博、秋山幸二が揃った'80年代中盤以降の西武、◇池山隆寛、広澤克己が揃った'90年代のヤクルト、◇小久保裕紀、松中信彦、城島健司が揃った'00年代のダイエー――強いチームには日本人スラッガーが必ず2人以上いることがおわかりいただけると思う。そして、和製2門は生え抜きならさらにいい。

 そういう面から言えば、現在の広島には1門の和製大砲さえない。本当に強いカープを復活させるなら堂林、松山、岩本、そしてさらに若い鈴木誠也(1年目・19歳)あたりを一本立ちさせることが重要である。そういう問題意識がフロント、現場首脳陣にあるのかどうかが今後の広島の進む道を変えていく。

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