詳説日本野球研究BACK NUMBER
対巨人“戦意喪失”を克服した広島。
真っ向勝負の志を生んだキラ効果。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNaoya Sanuki
posted2013/10/29 10:30
CSでは敗れたものの、レギュラーシーズンでは3勝0敗と巨人への抵抗の先鋒となった前田健太。
広島の最近5年間の巨人戦の成績を見てみよう。
2009年 7勝14敗3分け(巨人1位、広島5位)
2010年 6勝18敗0分け(巨人3位、広島5位)
2011年 6勝16敗2分け(巨人3位、広島5位)
2012年 8勝15敗1分け(巨人1位、広島4位)
2013年 8勝14敗2分け(巨人1位、広島3位)
<120試合、35勝77敗8分け、勝率.313>
見事な負けっぷりである。そのためだろうか、改めて今季中盤までの先発ローテーションを見ると、巨人戦に勝ってやろうという気持ちがまったく感じられない。
3/29 ●バリントン 4/19 ●久本祐一 5/3 ●久本祐一
30 △久本祐一 20 ●中崎翔太 4 ●中崎翔太
31 ●前田健太 21 ○中村恭平 5 ●バリントン
6/25 ●野村祐輔 7/24 ●バリントン 8/ 9 ●野村祐輔
26 ●中崎翔太 25 ○前田健太 10 △バリントン
27 ○バリントン 11 ●中崎翔太
9/14 ○バリントン 9/21 ○前田健太 9/29 ○大竹 寛
15 ○前田健太 22 ●久本祐一
16 ○中村恭平 23 ●大竹 寛
6月までの巨人戦の先発ローテーションはバリントン、久本、中崎を中心に組んでいるのがわかる。前田、野村、大竹の3本柱は強い巨人にはぶつけず、勝ちが見込める他球団にぶつけるという意図がみえみえのローテーション。その結果、6月までの対戦成績は2勝9敗1分け、勝率.182と散々である。