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澤、近賀復帰でナイジェリアに完勝。
DFには光明、課題は攻撃の新戦力。
text by
河崎三行Sangyo Kawasaki
photograph byGetty Images
posted2013/09/28 08:01
澤の復帰はチームにとってもちろん大きい。しかし新戦力が彼女のポジションを脅かしてこそ、なでしこは2015年のW杯へ向けて進むことができる。
なでしこの活性化に必要不可欠な新戦力の台頭。
ただし、懸念が残る部分ももちろんある。2戦を通したパフォーマンスで新たな発見があったのはDF陣ぐらいで、MF、FWではロンドン五輪までの面々を脅かす存在が見当たらなかった。
「国際レベルで通用する気構え、当たりの強さ、知識が若い選手に足りない。日頃の試合から意識して身につけていかないと。ベテランはやはり、当たり前のことを当たり前にやれる。ただ若手とベテランとはもともと経験値の違いがあるので、なかなか差が埋めきれないところではあるのですが」
とは佐々木監督の言葉だが、監督の嘆く「差」を一気に飛び越えてくるイキのいい新戦力が、アタッカー陣に現れるか否か。2015年女子W杯でのなでしこの命運は、その一点にかかっているように思われる。
W杯本番まであと約2年。なでしことしての今年の代表活動はもう終わりだから、正確には1年半程度しかない。若手選手の急成長に要する時間としては十分だとも、不足だとも言える。少なくとも、これから2015年にかけて、監督自身が描く青写真はもちろん、それをバックアップする日本協会の強化プランにも、細心の注意が求められる。
物足りない相手とテストマッチをやるような時間の余裕は、もう残されていないのだ。