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澤、近賀復帰でナイジェリアに完勝。
DFには光明、課題は攻撃の新戦力。 

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河崎三行

河崎三行Sangyo Kawasaki

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photograph byGetty Images

posted2013/09/28 08:01

澤、近賀復帰でナイジェリアに完勝。DFには光明、課題は攻撃の新戦力。<Number Web> photograph by Getty Images

澤の復帰はチームにとってもちろん大きい。しかし新戦力が彼女のポジションを脅かしてこそ、なでしこは2015年のW杯へ向けて進むことができる。

スピード感あるプレーを見せた初招集の上野紗稀。

 その第1戦では、負傷のため6月の欧州遠征と7月の東アジア杯を欠場していた澤穂希が復帰したのもさることながら、昨年末に右膝の前十字靭帯断裂の大けがを負った近賀ゆかりが戻ってきたことが、大きな収穫だった。

 彼女にとってロンドン五輪決勝以来となる代表戦だったが、以前と変わらぬ運動量で、90分フルにプレーしたのである。ディフェンスラインに近賀が入ると、やはり右からの攻撃の厚みが違う。依然としてなでしこの右サイドバックの一番手であることを、彼女は長崎で証明してみせた。

 対照的に第2戦では、有望な若手左サイドバックが輝いた。代表初招集の18歳、上野紗稀である。

 自身で、

「緊張しました」

 と振り返っていた通り、試合開始直後こそ周囲の選手に合わせるのが精一杯といったプレーぶりだったが、前半の半ば過ぎあたりから輝き出す。足の回転の速いピッチ走法でどんどんオーバーラップを仕掛け始めたのだ。そして宮間あやなどの先輩選手も、彼女の持ち味を生かそうと何度も相手の裏を突くパスを出して、彼女を走らせた。そうしたボールに追いつける足の速さがあるだけでなく、そのまま鋭いクロスを送れるキックの正確さがあるのも、彼女の強みだ。佐々木監督は、

「体力的に持つかどうか不安があった」

 と言うが、後半40分に退くまで、効果的なアップダウンを繰り返した。

2015年女子W杯までには鮫島彩を超える存在に!?

 また守備では、小柄(154センチ)ながら重心が低いから当たり負けしないし、アジリティーもある。つまり、簡単に相手に抜かれない。

 現在なでしこの左サイドバックは、ロンドン五輪時のレギュラーだった鮫島彩が負傷で戦列を離れている状況だ。しかし上野は鮫島の不在期間の穴を埋めるというより、むしろ2015年の女子W杯までには鮫島を超える存在になれる能力の持ち主だと、個人的には思う。来月に行なわれるU-19アジア選手権でタフな連戦を経験し、さらに成長してなでしこジャパンに戻ってきてもらいたい。

【次ページ】 なでしこの活性化に必要不可欠な新戦力の台頭。

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