欧州サムライ戦記BACK NUMBER
バイエルン、変幻自在にCSKAを圧倒。
本田圭佑が感じた、王者との“格差”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2013/09/18 11:35
リベリー、ロッベンは守備にも奔走し、ダンテ、ボアテンクら守備陣とともにCSKAの攻撃を封殺。本田は孤軍奮闘を見せたが、バイエルンの厚い壁を打ち崩すには至らなかった。
「セットプレーからの2失点は、やってはいけない」
バイエルンとの試合を終えた後、本田はこう話した。
「ボールを持たすという意味での試合内容に関してはチーム全体として把握してたことですし、想定内だったんで、そこにサプライズはなかったんですけど、正直セットプレーからの2失点というのはね、ちょっと……。格上(の相手)にやってはいけない失点っていうのは、やはりありますよね」
ただ、それを狙えるのがバイエルンなのだ。
パスで崩せないのであれば、セットプレーからゴールを狙う。あるいはロングボールからも簡単にゴールを奪うことが出来る。
その意味で、戦い方に固執してしまったのは、CSKAの方だったのかもしれない。
CSKAはよく守ったが……攻撃パターンが少なすぎる。
確かに、CSKAは十分にバイエルンのストロングポイントを防いでいた。中央でパスをつながれても、ほとんど守備に穴は空けなかったし、外に展開されても無理に追うことはなく、中央ではね返すことができていた。
しかし、攻撃に移ると機を見て前線にあがっていく選手がいるわけではなく、1トップに入ったムサと、トップ下の本田の2人によるコンビネーションか、どちらかの単独の突破に頼るしかなかった。これではそう簡単にチャンスは望めない。
相手の攻撃が少し落ち着いた後半15分ころからは徐々にパスも回りだして、少しずつ全体が押し上げられるようになっていたのだが、その矢先の後半23分にアラバのシンプルな浮き球のパスに抜け出したロッベンが胸トラップから豪快にシュートを決めて、決定的な3点目が生まれた。
79分には本田がゴール正面、ペナルティエリアにさしかかるところで相手センターバックのボアテンクを背中でブロックしてパスを受けたが、すかさずラフィーニャがカバーに入り、最後はもう1人のセンターバックであるダンテにも寄せられて、シュートは打てなかった。
さらに84分、CSKAのカウンター。
本田が右サイドから中央にボールを運んでいきながらシュートを狙っていたが、2人に寄せられて、ボールを奪われてしまう。
結局、バイエルンが3-0でCSKA相手に完勝することとなった。