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ただいま賞金女王レース独走中。
森田理香子、強さの秘密。
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byToshiya Kondo
posted2013/08/28 10:30
パーオン率2位(8月28日現在)を誇る森田。賞金女王タイトルをかけた終盤戦に向けて、パッティングがカギを握る。
現在、国内女子ゴルフツアーの賞金ランクトップをひた走る森田理香子。プロ6年目の今季は3月・ダイキンオーキッドレディスでの開幕戦Vから始まり、5月の中京テレビ・ブリヂストンレディス、6月・サントリーレディスと、すでに3勝を挙げ、4年ぶりとなる日本人賞金女王誕生へ大いに期待が高まっている。
獲得賞金はここまでで9000万円を越え、ランク2位の堀奈津佳に3000万円以上の差をつけている。気の早い周囲は森田の女王奪取宣言を煽るが、本人は「本当の勝負はこれから」と認識している。実際のところ、3000万円の差は1試合だけの結果では逆転されないものの、上位選手が賞金総額1億円以上の高額大会で優勝すればあっという間に縮まる。
残り14試合のなかで、“1億円超大会”は6試合を数える。そのうち優勝賞金が2000万円を越える大会が4つ(日本女子プロ選手権=2520万円、日本女子オープン2800万円、マスターズGCレディース2520万円、ツアー選手権2500万円)と、後半戦にはビッグトーナメントが目白押しだ。
岡本綾子に師事し、スウィングを改善。
ランク3位にいる佐伯三貴や同4位で好調を維持する吉田弓美子をはじめ、歴代賞金女王の全美貞、横峯さくら、CATレディースで復活Vを決めたアン・ソンジュや、今季未勝利だがスロースターターのイ・ボミ、服部真夕らにもまだまだ“逆転”の可能性はあると言える。
だからこそ森田には、新女王と呼ばれるために、さらなる強さを見せてほしい。
森田の強さの秘密は、まず、言うまでもなく天性の飛距離だろう。やや変則だったスウィングも、プロテスト合格翌年の'09年から現師匠・岡本綾子の下、3年計画で改造に取り組み、現在は「美しい」と称されるほどに変貌を遂げた。もちろんスウィングにとどまらず、アプローチやパッティングといったショートゲームの練習を積み重ね、体幹や弱かった手首などを強化するトレーニング、スタミナ作りを続けてきたことが、現在の森田を組み立てている。