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今季ドラフトは“斎藤・澤村世代”だ!
中大エース・澤村拓一という逸材。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2010/10/08 10:30
10月1日の国士舘大戦、澤村はストレートの最速156キロをマークし、被安打8で亜大戦に続き2試合連続完封を飾る
各球団のスカウトたちをうならせた、圧巻の投球。
澤村が最も颯爽とした投球を見せたのが、今秋9月21日の亜大1回戦。結論から言うと、東浜巨(亜大2年)との投手戦で10回を投げ抜いて、強力打線を散発3安打に抑え、完封勝利を飾っている。奪った三振は16個。ストレートは4割程度で、あとの6割はスライダー、フォークボールを主体にした変化球。亜大打線が緩急の多彩さに戸惑ったというより、スライダーのキレ、フォークボールのキレ、さらにストレートの力強さに屈服したという印象が残った。
ネット裏に多数陣取っていた各球団のスカウトは、一様に高揚していた。
5回くらいになると記者室にいた記者がネット裏に出てきてスカウトを取材するのが見慣れた光景だが、いつもは笑顔まじりのスカウトが、このときばかりは違った。
「今までで一番いいよ」の声があちこちから聞こえ、知り合いのベテランスカウト氏は「上に推薦するよ。あとはGMの判断だけどな」と興奮気味に話していた。
「斎藤世代」とマスコミは書くが、「斎藤・澤村世代」と並び称したほうが現在の大学球界の実情を表していると思う。