詳説日本野球研究BACK NUMBER

パ・リーグが圧倒し続ける交流戦。
セの各球団が直視すべき課題とは? 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/06/12 10:31

パ・リーグが圧倒し続ける交流戦。セの各球団が直視すべき課題とは?<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

楽天・田中将大は交流戦で5試合を投げて4勝(1試合は勝ち負けつかず)と大車輪の活躍。6月9日の巨人戦では自己新となる開幕8連勝を達成した。

 セ・パ交流戦は今年もパ・リーグが勝ち越しを決めた。'05年の1年目からどんな成績で推移してきたのか、少し長くなるが見ていこう(★印はセ・リーグ勝ち越しの年。太字はセ・リーグの球団)。

◇'05年  パ=105勝104敗7分
上位チーム (1)ロッテ、(2)ソフトバンク、(3)阪神、(4)巨人、(5)ヤクルト、(6)横浜

◇'06年  パ=108勝107敗1分
上位チーム (1)ロッテ、(2)ヤクルト、(3)阪神、(4)中日、(5)ソフトバンク、(6)西武

◇'07年  パ=74勝66敗4分
上位チーム (1)日本ハム、(2)巨人、(3)横浜、(4)ロッテ、(5)中日、(6)オリックス

◇'08年  パ=73勝71敗
上位チーム (1)ソフトバンク、(2)阪神、(3)日本ハム、(4)巨人、(5)楽天、(6)広島

◇'09年 ★セ=70勝67敗7分
上位チーム (1)ソフトバンク、(2)ヤクルト、(3)広島、(4)中日、(5)巨人、(6)日本ハム

◇'10年  パ=81勝59敗4分
上位チーム (1)オリックス、(2)西武、(3)ソフトバンク、(4)ロッテ、(5)楽天、(6)日本ハム

◇'11年  パ=78勝57敗9分
上位チーム (1)ソフトバンク、(2)オリックス、(3)日本ハム、(4)中日、(5)西武、(6)ヤクルト

◇'12年  パ=67勝66敗11分
上位チーム (1)巨人、(2)日本ハム、(3)ロッテ、(4)中日、(5)西武、(6)広島

 交流戦は毎年の成績も通算成績もパのほうがいいことは野球ファンなら誰でも知っているが、じっくりこういう表を見た人は少ないと思う。今年の成績はさておいて、昨年までの8年間の通算成績は次の通りだ。

 パ=653勝600敗43分、勝率.521  セ=600勝653敗43分、勝率.479

“お荷物球団”を抱えながらもパが圧倒してきた交流戦。

 セがパに勝ち越したのは'09年の一度だけで、交流戦の優勝は'12年の巨人だけだ。正直、これだけしか差がついていないのかと思う。私の印象では毎年パがセを圧倒しているので、パの勝率が6割くらいまで達しているのかと思っていた。そうなっていないのは、'05、'06年の成績が拮抗しているからだ。この2年間を考えるとき、楽天の存在を忘れてはいけない。

 '05年から球界に参画した楽天は最初の2年間、新興球団の悲しさで選手が満足に揃わなかった。そのため'05年は38勝97敗(勝率.281)、'06年は47勝85敗(勝率.356)と超低空飛行を余儀なくされている。言葉は悪いが、楽天という“お荷物球団”を抱えながらパは'09年以外、勝ち越し続けてきたのである。

【次ページ】 交流戦でのパ・リーグ優位はどこに理由があるのか?

1 2 3 4 NEXT
#田中将大
#東北楽天ゴールデンイーグルス
#北海道日本ハムファイターズ
#大谷翔平

プロ野球の前後の記事

ページトップ