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森友哉は「ヤンキーで悪そうに見られるけど…」盟友の大阪桐蔭“控え捕手”が明かす素顔「野球にめちゃくちゃ真面目」「ふたりでよく喧嘩もした」

posted2023/10/21 11:00

 
森友哉は「ヤンキーで悪そうに見られるけど…」盟友の大阪桐蔭“控え捕手”が明かす素顔「野球にめちゃくちゃ真面目」「ふたりでよく喧嘩もした」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

今季、オリックスで打率.294の成績を残した森友哉。大阪桐蔭時代を同級生で同じ捕手のポジションだった盟友が振り返る

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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Hideki Sugiyama

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは、オリックスが千葉ロッテに3勝1敗(アドバンテージの1勝を含む)で、日本シリーズ進出に王手をかけた。FAで西武から今季新加入し、自身初の日本一を目指しているのが森友哉だ。打率.294(リーグ4位)、18本塁打、64打点(いずれもチームトップ)と今シーズンの打線を牽引してきた活躍の陰には大阪桐蔭高時代のチームメートで、今季から専属トレーナーを務める久米健夫(たてお)さんの存在がある。2人の不思議な縁と、最強を誇った大阪桐蔭時代のリアルとは――。久米さんに聞いた。〈全2回の前編/後編を読む〉

1年生・森友哉の衝撃

「こいつ、ヤバっ……」

 思わず絶句した衝撃の光景を、久米さんは今も鮮明に覚えている。それは新1年生として大阪桐蔭高校の寮に入寮した初日のことだ。打撃マシン相手のバッティング練習で、初々しい1年生が順番にケージに入っていく。超強豪校らしく、マシンの球速は容赦ないハイスピード設定だ。ほとんどの新入生がバットに当てることすらできないなか、打席に立った15歳の森友哉だけが涼しい顔で豪速球を捉え、凄まじい打球音を響かせていた。

「あいつ1人だけ、一番重いバットをブンブン振り回してバチンバチン打ち込んでいた。さらに、屋外での初めてのバッティング練習では1球目からホームラン。もう唖然としました。こいつ別格や、って……」

 自信を打ち砕かれて悄然とする同級生を横目に、当の森は自ら選んだ道がはっきりと拓けていくのを感じていた。

あの時、森は『自分はできる』と確信した

「あの時、森は『自分はできる』と確信したそうです。後から聞いたんですが、3年生のレギュラーがバッティング練習をしているのを見て『この人はメンバー外だろうなと思った』って(笑)。僕はそんなこと少しも思えなかった。3年生も2年生も凄い顔ぶれで、ただただヤバいところに来たな、って思っていました」

 久米さんと森は同じ大阪府堺市出身。小学校5、6年の頃にはお互いピッチャーとして試合で投げ合ったこともあり、中学に進むと森は「堺ビッグボーイズ」で、久米さんは「和泉ボーイズ」で捕手として活躍し、互いにメールで連絡を取り合うこともあった。久米さんが大阪桐蔭への進学を決めたのは中学3年の頃。西谷浩一監督が直々に練習を見に訪れ、久米さんに声をかけた。

森は高校に入ったら野球はやめるだろう

「お前は3度の飯より野球が好きか?」

【次ページ】 ほんまにしんどい、という記憶しかない

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