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戸崎圭太、移籍後初の重賞Vなるか!?
騎手勢力図で占う混戦オークス。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byAkihiro Shimada
posted2013/05/18 08:01
3月にJRA所属となって以来、初のGI制覇を目指す戸崎圭太騎手。5月12日現在、平地の騎手としては勝率.183と日本人ジョッキートップを走っている。
明日の日曜日、5月19日に牝馬クラシックの第2弾、優駿牝馬(オークス)が行なわれる。この時期の3歳牝馬は、人間で言うと17、18歳の女の子。まだまだ表情や仕草に子供っぽさの残る彼女たちが、スピードとスタミナの両方を求められる東京芝2400mのタフな舞台で女王の座を目指す。
去年は、桜花賞を勝ったジェンティルドンナが5馬身差で圧勝し、さらに10月の秋華賞を制して史上4頭目の牝馬三冠馬となった。ジェンティルの勢いはそこでとどまらず、次走のジャパンカップも勝って年度代表馬に選出された。
今年のオークスはどんな戦いになるだろうか。
ひとつのポイントは、桜花賞組とトライアル組、別路線組の比較である。オークスで初顔合わせとなる馬も多いだけに、早くから重賞路線を歩んできた馬と、デビューが遅れた素質馬のどちらを高く評価すべきか、悩ましいところだ。
アユサンら桜花賞組か、デニムアンドルビーらのトライアル組か……。
普通に考えると、桜花賞馬アユサン(丸山元気騎手)、同2着馬レッドオーヴァル(クリスチャン・デムーロ騎手)、3着馬プリンセスジャック(福永祐一騎手)、4着馬クロフネサプライズ(武豊騎手)ら桜花賞組が、「生まれたときからの目標だったガチンコ勝負で上位に来た」というだけで強いと言えそうだが、消長の激しい牝馬だけに、一線級とやり合ってきた疲労の蓄積が気になる。
フローラステークスの勝ち馬デニムアンドルビー(内田博幸騎手)、2着馬エバーブロッサム(戸崎圭太騎手)といったトライアル組や、デビュー2戦目でフラワーカップを勝ち、桜花賞をパスしてここ一本に備えたサクラプレジール(横山典弘騎手)は、フレッシュな状態で出走できそうだが、大一番でキャリア不足が響かないか心配になる。
といったように、牝馬のレースはいつも予想が難しい。こういうときは「騎手買い」をしてみるのも悪くない。GIの常連になっている一流騎手が騎乗馬を決めた時点で、プロの目による選定がなされているわけだから。