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鉄壁守備が売りの大宮で異彩を放つ、
“危なっかしい男”高橋祥平の魅力。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byAFLO
posted2013/05/13 10:30
サイズのハンデを読みと反応でカバーする、日本人らしいCB。代表を狙っていることを公言する、発言の直截さも魅力の1つだ。
「自分の色も出しつつ大宮のサッカーも吸収して……」
―――選手として、急激に何かを蓄えているという実感はありますか?
「はい。自分はまだまだ下手だと思っているし、J1では何も通用しないと思っていたので。ただ、ここに来て何かを変えようとは思わなかったし、もともと持っているものを伸ばしながら、大宮で何を学ぶかが大事じゃないかなと。それって、オレの中ではすごく難しかったです。自分の色も出しつつ、大宮のサッカーも吸収して……それを練習の中でちょっとずつ改善していっているところです」
―――監督からの期待も感じるのでは?
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「そうですね。ああいうことがあっても使ってくれているし、本当に感謝しています。恩返ししたいなって」
自らの責任でリスクを負って、相手の前で勝負できる。それが、高橋に感じる“危なっかしさ”の魅力だ。
類い稀なポテンシャルを持つ高橋を、チームメイトはこう評す。
センターバックでコンビを組む菊地が言う。
「祥平はすべてにおいて高いレベルでこなせる選手だと思います。性格的な熱さは祥平のいいところ。ただ、セレッソ戦みたいに熱くなりすぎるところはアイツが改善しないといけないところだし、あれだけの能力がある選手だから、もったいないですよね。ただ、もちろん本人も反省していると思うし、周りの選手がしっかりサポートしてやることも大事。熱さをうまくコントロールできれば本当にいい選手になると思いますし、それができると思います」
後方から見守るGK北野貴之も、同調する。
「祥平にとっては初めてのJ1の舞台ですけど、自分の長所を生かしていると思いますね。スピードもあるし、読みも鋭い。ラインコントロールにおいても、合わせるだけじゃなく、自分から声を出してラインを作れる選手なので。それから、インターセプトからスルスルと上がる時のリズム感、それは彼の長所ですよね。誰に対してもオープンマインドで話せるし、話を聞く耳を持っている。そういった部分も含めて、これからメンタルもフィジカルも鍛えれば、どんどん素晴らしい選手になると思います。僕らは彼の長所を引き出せるようにしたいですね」