野ボール横丁BACK NUMBER
“底抜けに陽気で過干渉な兄貴”
デーブ大久保は誰にも理解されない?
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byToshiya Kondo
posted2010/07/28 11:45
デーブは貴重なキャラ。理解者さえそばにいれば……。
だから先日、大久保が「不適切な指導」があったということで二軍打撃コーチを解任されたという報道に接した時、誤解を恐れずに言えば、合点がいかないこともなかった。
やれ新人選手に暴行を働いたとか、やれ罰金制度が行きすぎていたとか言われているものの、まだ詳細は明らかにされていない。ただ思うのは、よくも悪くも大久保は選手に干渉し過ぎたのだろうということだ。東京ドームで全く面識のない私に話しかけたような調子で。はたまた、自主トレのとき、選手にちょっかいを出した調子で。
大久保は'08年に西武の一軍打撃コーチに就任するも、シーズン終了後にプライベートな問題が発覚し、わずか一年で退任。だが監督の渡辺久信の強い要望もあり、今年、二軍打撃コーチとして再び現場に復帰していた。渡辺は、そんな大久保の過干渉な性質を誰よりも好意的に解釈していたうちの一人だった。だが、ファームにはそのような見方をする人は圧倒的少数派だったのだろう。
あのキャラクターは貴重といえば貴重だった。渡辺のような理解者がそばにいたらと思わないでもない。ちょっと惜しいな。それが私のごく私的な感想である。