野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
真夏の夜は、やっぱりプロ野球。
花火とホームランが見所の球場は?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/07/21 11:20
とにかく火薬量が半端ではない東京ドーム花火大会!!
セ・リーグでは、チーム本塁打141と、2位の阪神に40本差をつけている巨人がダントツの火薬量(7月19日現在。以下同様)。最もホームランが出やすいと言われる東京ドームは野球界の大曲といったところか。ホームラン争いの1、2位であるラミレスと阿部は10打数に1本の割合で本塁打を量産。小笠原、坂本、長野、高橋由伸など大玉揃いで今夏も勢いは止まらない。
これに加えて、絶不調の投手陣は7月だけで19被本塁打。中継ぎのオビスポ、星野、山口の被本塁打率が1試合当たり1.5本以上と、今夏のドームはさらに花火が乱れ飛ぶ予感を漂わす。
巨人を追う阪神は、ブラゼルが阿部と並んで30発、本塁打一本あたりの打数=本塁打率は10.56とダントツの成績。金本、城島も調子を上げているが、西の花火大会のメッカといえばPL(名物の花火大会)。一時は4番を期待されながらも二軍落ちしたPLのOB桜井広大の奮起に期待したい。
中日はドラゴン花火の両輪、柔の和田、剛のブランコという常連組。一方で新戦力が出てきたのがチーム本塁打数12球団ワーストの広島。'08年ドラフト1位の岩本が17試合で3発と今夏の期待を一身に背負う。
セの下位チームでは“花火職人”投手が勢揃い。
「き~み~が~いた夏は~」というチャンステーマが、淋しく聞こえていたヤクルトでは途中加入のホワイトセルが15試合で4発。12球団イチ球場が狭い横浜でも、これまた新加入のハーパーが12試合で5発と、55本を打った年の王貞治に迫るペースで花火を連発。両外国人の活躍が真夏の夜の夢とならないことを祈るのみだ。
ちなみに、下位チームではピッチャーの被本塁打の多さが顕著だ。広島では6月29日の巨人戦で5発を打ち上げたスタルツほか、ソリアーノ、ジオなどの外国人の打ち上げ活動が著しい。ここまで103発を打ち上げた職人揃いの横浜では、ロッテから移籍してきた清水直行が横浜投手陣の伝統を踏襲するべく、セ最多の16発を打ち上げ、名実ともに“横浜の人”となってしまった。
セに比べてイマイチ湿りがちのパの打者だが……。
今季これまでのセ・リーグ全体の500本に比べて464本と本塁打数が少ないパ・リーグ。球場の広さか、ピッチャーがいいからかはわからないが、本塁打トップのソフトバンク・オーティズの21本でも巨人のラミレスと10本差。規定打席到達者の本塁打率では、T-岡田の14.65打数に一発の割合を最高に、10点台がオーティズ(15.57)、カブレラ(16.38)、金泰均、ブラウン(共に17.72)の5人と、全体的な火力不足は否めない。