野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
真夏の夜は、やっぱりプロ野球。
花火とホームランが見所の球場は?
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byNaoya Sanuki
posted2010/07/21 11:20
梅雨も明け、子どもたちは夏休みへ突入と、夏本番を迎えた今日この頃。7月末からは全国各地で花火大会が開催されるようだが、近年の野球界でも“花火”は、夏のナイターイベントの定番となっている。
野球場での花火観賞というのはなかなかにいいものだ。打ち上げ数こそ少ないが、花火の距離は近いし、ゆったり座れるし、ビールも売りに来てくれる。さらに、花火が上がっている時のあの空気。その試合が首位攻防戦だろうと、ライバルチーム同士の対戦だろうと、敵も味方も、ファンも選手も関係なく夜空に見惚れているあの瞬間の空気は、クリスマス休戦ならぬ花火休戦ともいうべき、実に平和な雰囲気に包まれる。
考えてみれば花火大会へ行っても、渋滞と人混みとお好み焼きのソースに巻き込まれて、純粋に花火を楽しめたためしがない。ビール片手にのんびり花火を観るなんて贅沢は、いつだって野球場でのことだ。
しかし、この花火。野球メインで観ていると、いつどこの球場でやっているのかよくわからずに、楽しみにしていると肩透かしを喰らうことも少なくない。事前に調べておけばいいのだが、一旦野球頭になってしまうと、花火が何発かより、誰が先発かの方へ頭が行ってしまうので大体忘れるのがオチだ。
というわけで、今回は「野球場花火情報」をお届けしてみる。
【セ・リーグ】
●東京ヤクルトスワローズ
<神宮球場>
7月27日~29日 広島戦
8月3日~5日 中日戦
8月10日~12日 巨人戦
8月24日~26日 横浜戦
8月27日~29日 阪神戦
※ 5回裏終了時に300発の打ち上げ花火。
【パ・リーグ】
●埼玉西武ライオンズ
<西武ドーム>
※ 近隣の西武園ゆうえんちにて8月13日(金)と8月中の毎週土・日に花火大会を開催。
●福岡ソフトバンクホークス
<ヤフード―ム>
※ ソフトバンク勝利時の試合終了後に“勝利の花火”を8発。
ドーム球場で唯一の花火は珍しい屋根からの“打ち下げ花火”。
●千葉ロッテマリーンズ
<千葉マリンスタジアム>
7月30日~8月1日 福岡ソフトバンク戦
8月10日~12日 北海道日本ハム戦
8月13日~15日 東北楽天戦
8月20日~22日 オリックス戦
8月24日~26日 埼玉西武戦
8月31日 東北楽天戦
※ 5回裏終了時に300発。
中学生以下を対象にグラウンドから花火を鑑賞できる「花火ツアー」を開催(約100人)。
●オリックス・バファローズ
<スカイマークスタジアム>
7月21日 東北楽天戦
7月27日 北海道日本ハム戦
8月7日~8日千葉ロッテ戦
8月18日 東北楽天戦
※ 8月8日はいつもより豪勢な「スーパー花火ナイト」。
●東北楽天ゴールデンイーグルス
<クリネックススタジアム宮城>
7月30日~8月1日 オリックス戦
8月3日~5日 千葉ロッテ戦
8月10日~12日 埼玉西武戦
8月20日~22日 福岡ソフトバンク戦
※ 5回裏終了後に160発。
グラウンドで花火を観戦できる「フィールド花火観覧2010」を開催(抽選で親子20名)。
さて、野球の話である。
野球場での花火は何も火薬で打ち上げるものに限ったことではない。
野球においてよく花火に喩えられるのが、ホームランである。甲子園でホームランが乱れ飛べば“甲子園花火大会”、ホームランを打たれるピッチャーを“花火師”、“花火職人”などと喩えることもある。
夏といえば、ピッチャーはバテバテ、打者は意気軒昂に調子を上げてくる、ホームランが量産される季節。職人たちが己の力と技の粋を集めて、夜空に放つ白い球。野球場に打ち上がるホームランこそ、東高西低、打高投低、日本の夏の醍醐味なのである。
というわけで、今夏、各球場での観測が期待される「打ち上げ花火」の見所を紹介しよう。