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CL前のクラシコ連戦でレアルに完敗。
絶不調のバルサは立ち直れるのか?
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byReal Madrid via Getty Images
posted2013/03/03 13:15
先制となった前半6分のベンゼマのゴールシーン。バルサの守護神、ビクトル・バルデスはこの日、後半49分に立て続けにイエローカードを受け、累積警告で退場処分となってしまった。
意図のないボールキープ、そして精彩を欠くメッシ。
バルサは66.91%のポゼッションを保った。ロウラが満足しているといった理由のひとつはそこだが、その大半はただボールをキープしているだけのもの。悪いときのバルサの典型例だ。
この日1得点を決めたものの、メッシの動きに相変わらずキレはなく、唯一なにかを生み出しそうなイニエスタも局面を打開することはなかった。
スタンドから見ていて目立ったのは、左サイドで半身の姿勢から何度も斜めに走り込む動き出しを見せていた、ビジャのむくわれない動きだ。
中央をマドリーにしっかりと閉じられ、頼みのメッシにも元気がないため、バルサは一向に縦パスが入らない。
マドリーにしっかりとふたをされたバルサは、攻めあぐねているうちにやがてボールを奪われ、そしてカウンターを受ける――。
2月20日のCLベスト16・ミラン戦から数えて4試合で4得点8失点という事実は、上手く行かない攻守をそのまま表している。
主力温存の相手に、結果と決定機で上回られる最悪の状態。
何ひとつ機能しないまま、最悪の状態で3月12日にはミランとの第2戦を迎えることになったバルサ。クラシコ2連敗を目にしたいま、第1レグの0-2からの逆転勝利を信じるバルセロニスタは少ない。
試合後のミックスゾーンで、ピケは「このチームを信じている。CLで優勝した2009年と2011年のチームよりもいい」と話した。
しかしそれもロウラの言葉と同様に、自らを励ます声にしか聞こえなかった。
一方のマドリーはここにきて、急激に調子を上げている。
クラシコ2連戦でまさか2勝するとは、モウリーニョさえも考えていなかっただろう。
特にリーガのクラシコの方は、首位のバルサと勝ち点が10以上離されているためマドリーにとってはもはや重要度は高くなかった。モウリーニョはC・ロナウドやケディラといった主力を温存した控え中心のメンバーで挑んでいる。
それでもマドリーはこの2試合、結果でも、決定機の数でも、ポゼッション以外はすべての面でバルサを上回った。