野次馬ライトスタンドBACK NUMBER
MLBマニアの外国人助っ人総チェック!
~英雄・豪傑・悪人面のパ・リーグ編~
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byKyodo News
posted2013/02/26 10:30
ホークス期待の新助っ人、ビセンテ・パディーヤ。宮崎キャンプで早速ワイルドなピッチングを披露した。
顔つきはすこぶる悪人だが、ピッチングは頭脳的。
Tomo 「あー、ドジャースに移籍した'09年の事故ですね。ハンティングで薬莢が腿に落ちて火傷したとか言い張ってましたけど、『burn』(火傷)じゃなく『minor wound』(小さな傷)ってリポートでしたから、撃ったに違いありませんね(笑)。エージェントも突っ込まれて、『まぁ……ハンティングでの事故です……ごにょごにょ……』みたいな感じでごまかしてましたもん。あの年のシーズン前半には、豚インフルで登板回避ってのもありましたけど、ちょっとスライドしただけでローテーションからは外れなかった。本人はあの顔だし大丈夫なのかも知れないけど、チームメイトが倒れたらどうするつもりだったのか」
Tessy 「故郷ニカラグアでは英雄視されていますが、誤射事件をはじめ、遠征に同伴させた愛人をナイトクラブでぶん殴って訴えられたりと、何かと話題に欠かないお茶目な人でもあります。顔面の造形と攻撃的な投球スタイルで、打者は震え上がる事間違い無いのですが、ランナーを出すとシンカーでゴロを打たせるようなクレバーなピッチングをする頭のよさもありますからね。力は落ちているとはいえ1年間ローテを任せられる投手であることは間違いないです」
Toyo 「そうですね。この人、意外に頭脳的なピッチングもするんですよ。“シャボン玉”ってアダ名の『イーファスピッチ』も投げますし。ただの、金田留広風スローカーブだけど」
Tessy 「とにかく顔に注目ですね」
Toyo 「やっぱり、顔ですね」
Tomo 「……ですね」
★パディーヤ注目ポイント「悪人顔から繰り出されるエグイ内角攻め」
松坂大輔からメジャー初安打を打った掘り出しもの。
●ブライアン・ラヘア(福岡ソフトバンク) 一塁手 推定年俸 2年3億7000万円
Tomo 「去年のW.M.ペーニャ&ペニーといい、ソフトバンクは凄い選手をどんどん連れてきますね。300万ドルの契約にもかかわらず4月で仮病退団したペニーは球史に残るダメ外国人になりましたが、このラヘアは私のイチオシです。多分、ダメっぽいところも含めて応援しています」
Toyo 「よく日本に来てくれましたね。30歳ですが、まだこれからの選手。マイナーでは相当名前が売れていますよ。タイプは違うけど、フィルダーやバースが来た時みたいな感じですかね。去年のオールスター選手ですし、日本にアジャストできれば相当打つんじゃないでしょうか。掘り出しもんです!」
Tomo 「元々はシアトルのマイナーで育ったプレイヤーでして、とにかく長打力はありますし、打ち急ぎもなく、上手く開花すれば大型一塁手として活躍できそうな期待感がありました。'08年にマリナーズが大不振で解雇したリッチー・セクソンの穴埋め要員としてメジャー昇格して、初ヒットも松坂から打ったのですが、メジャーでは振るわず。シアトル傘下AAAのタコマで1年やった後、カブスに拾われ、タコマと同じパシフィック・コーストリーグ(PCL)のアイオワに所属。PCLはバッター有利な球場と気候が多くバッティングスタッツは割引いて見るのが前提とはいえ、HRは3年間で26本、25本、38本で打率も3割前後と打ちまくります。そして昨年、カルロス・ペーニャが抜けたカブスの一塁手はジェフ・ベイカーが務める予定でしたが、思いもよらずラヘアが大活躍。開幕から1カ月ちょっとの間に10本のHRを放って一躍注目を浴びました」