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20日のトッテナム戦で再び輝けるか?
香川が語る“スタイル”へのこだわり。 

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鈴木英寿

鈴木英寿Hidetoshi Suzuki

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photograph byAP/AFLO

posted2013/01/16 12:00

20日のトッテナム戦で再び輝けるか?香川が語る“スタイル”へのこだわり。<Number Web> photograph by AP/AFLO

1月13日のリバプール戦に中盤左サイドで先発した香川。前半終了間際には、ゴール前のこぼれ球に飛び込んだが、相手選手に後ろから押されてGKレイナと激突。惜しくも得点はならなかった。

 昨年末の12月29日、オールド・トラッフォードでのウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(WBA)戦で実戦復帰を果たして以来、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司は4試合連続で試合出場を果たしている。

 WBA戦では4-2-3-1のトップ下。元日のウィガン戦では途中出場から4-4-2の中盤センター。1月5日のFAカップ・ウェストハム戦では中盤ダイヤモンドの頂点として、2トップの下でプレー。そして13日のリバプールとの大一番では中盤フラットの4-4-2の左サイドで先発出場を果たした。

 まず、イングランドの地元メディアの反応から復帰後の4戦をざっと振り返ってみよう。

 復帰初戦となったWBA戦、英国一の発行部数を誇る大衆紙『サン』の採点は、10点満点で「7」。「2カ月ぶりの復帰だったが、一流のプレーでユナイテッドに欠けていたものを示した」と絶賛していた。復帰後、現時点で唯一のフル出場となったウェストハム戦では、各紙厳しい評価が目立ったが、興味深いのが直近のリバプール戦だ。前述の『サン』、時に厳しい論調で知られる高級紙『タイムズ』、そしてサッカー報道の分厚さでも知られる『テレグラフ』紙の採点はいずれも「6」だったが、寸評は割れている。

英国の記者に直撃して、復帰後の香川への評価を聞いた。

「リバプールをハッとさせるパスをいくつか出したが、強烈なインパクトを残すことは出来なかった」と『テレグラフ』がややネガティブな論調を示せば、『サン』紙は「ユナイテッドも彼が戻ってきて嬉しいだろう。2ゴールを決めるチャンスがあった」と報じている。そして『タイムズ』紙は「丹念なプレーと常にスペースを探す動き。交代されるまで確かなパフォーマンスを披露し続けた」と称賛。後述の2紙は、ポジティブな評価を与えている。

 では実際、英国の記者たちはどのように香川の復帰後を捉えているのだろうか。生の声に迫ってみた。

『タイムズ』紙のフットボール担当チーフ、オリバー・ケイ記者からは、リバプール戦の直後、オールド・トラッフォードのプレスラウンジで香川について話を聞いた。

「香川自体はコンディションが上向きになってきているし、今後が楽しみだね。ピッチ上でのプレゼンス(存在感)が、試合を追うたびに増してきている」

 また、『サン』のフットボールチーフを長年務め、フットボールライターズ協会会長も歴任したアレックス・モンゴメリー氏も、ウェストハム戦までの3試合を振り返って、「怪我からの復帰後、香川はより強い選手になったように映る。フィジカル面で相当鍛えたのだろう」と語っている。

【次ページ】 同じ採点でもニュアンスが異なる英国メディア。

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