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「ポスト遠藤」と日本サッカーの未来。
“最後の黄金世代”を越えて行け! 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2012/12/17 14:25

「ポスト遠藤」と日本サッカーの未来。“最後の黄金世代”を越えて行け!<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

代表における“最後の黄金世代”の遠藤。ガンバ大阪がJ2落ちしたことにより、32歳の身体にかかる負担はさらに増すこととなったが……。

「ポスト遠藤」への一手を打たない指揮官への疑問。

 34歳で迎えるブラジルW杯でも、遠藤は30歳で経験した南アフリカW杯と同等のパフォーマンスを発揮してくれるかもしれない。それは遠藤個人の問題によるところが大きいから、年齢だけを理由に衰えを予測することはできない。34歳の遠藤がむしろ、30歳の彼よりも成長している可能性もある。

 ただし、「ポスト遠藤」たる“使う側”の選手を育てて世界に送り出すことは、その先の日本サッカーが解決しなければならない大きな課題である。だから個人的には、現時点でその一手を打とうとしない日本代表指揮官には疑問を感じている。

 キャラクターや能力を考慮すれば、現代サッカーにマッチする日本人の特性が、2列目やサイドバックにあることはこの数年で理解することができた。しかしそれは、あくまで“個”の問題である。“チーム”として世界で結果を残すためには、ナイジェリアで輝いた小野や、昨今の代表で異彩を放つ遠藤のような存在を育てなければならない。

 Jリーグ発足から20年、日本のサッカーは着実な成長を遂げてきた。今や、ある特定のポジションにおける“個”の勝負においては、堂々と世界に挑めるレベルに達している。次なる課題は、それを“チーム”としていかに機能させ、もう一段階突き抜けた結果を残すかだろう。あの日の黄金世代が演じた奇跡を再現するために、何が必要なのかを今こそ考えなければならない。

 日本のサッカーを強くするために、やるべきことは何か――。

 黄金世代の本当の意味での終幕が間もなく訪れようとしている今、「使う側の育成」「ポスト遠藤の発見」「黄金世代からの完全脱却」こそが“次なる一手”に他ならないと感じている。そして同時に、柴崎岳という一人のタレントにその可能性を見いだしている。

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