「日本は世界と対等に戦っていけると確信している」

「日常」対「日常」の戦いになれば、より正確な情報を得られるように思う。ザックジャパンが腰の引けた戦いをするとは思えないし、相手も「お手並み拝見」とばかりに集中して臨んできてくれればそれだけで得られる情報量は違ってくる。

　たとえ課題が多く出たとしても「非日常」の以前に比べれば、克服するスピードも速いはず。それぞれ「日常」の世界レベルに持ち帰って、取り組むことができる。ゆえにチームとして個としてフランス、ブラジルに今のすべてをぶつけることが先決で、それによって次にやるべきことが見えてくるのではあるまいか。

　ベスト8で終わったEURO後、ディディエ・デシャン監督のもとで再出発を図るフランスは日本戦の4日後にブラジルW杯欧州予選で王者スペインとの対戦を控えるため、緊張感を持ってこの試合に臨んでくるだろう。また、ホスト国ブラジルも優勝に向けて一層、強化に力を入れているだけに、そのモチベーションもきっと高いはずである。

　現在、欧州に滞在しているアルベルト・ザッケローニ監督は、遠征について以前このように語っている。

「日本は実力的に世界と対等に戦っていけると思っている。強豪国と対戦することで経験値を上げていくことができれば、きっと彼らに近づいていける。私はそう確信している」

“対世界”の距離はどこまで縮まっているのか。

「日常」の世界からハッキリと見えてくるに違いない。