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大学経営、テーマパーク建設も浮上!
売上世界一、レアルの多角化戦略。 

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葛山智子

葛山智子Tomoko Katsurayama

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photograph byReal Madrid via Getty Images

posted2012/09/19 10:30

大学経営、テーマパーク建設も浮上!売上世界一、レアルの多角化戦略。<Number Web> photograph by Real Madrid via Getty Images

レアル・マドリーのホームであるサンチャゴ・ベルナベウ・スタジアム内のトロフィー展示場。リーガ制覇32回、欧州CL制覇9回、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)制覇18回という抜群の実績と知名度が、様々なビジネス展開への推進力となる。

「うまくなるのではなく、強くなること」

 数年前のテレビ番組のインタビューでプロゴルファー片山晋呉氏が語った言葉。「プロとは?」という質問に対しての返答だったと記憶している。今でも筆者の心に響きつづけている言葉である。

 妥協をすることなく、そして自分自身に真正面から向き合い絶え間ない努力を積み重ねてつかむ強さ。失敗やスランプに陥っても、挑戦を続け、逆境を乗り越える意思を磨き続ける。そうしてまた成長して強くなっていく。

 強さと成長。強いから成長し、成長するから強くなる。

 このサイクルはスポーツ選手の成長だけにとどまるものではなく、企業にも当てはまる。企業にとっての「強さ」については前回のコラムに書いた。そこで今回は企業の「成長」についてレアル・マドリーの成長戦略をとり上げながら考えていきたい。

売上世界一、ソーシャルメディアにも腐心するレアルの経営。

 本コラムでも以前ご紹介しているが、レアルは世界一の売上規模を誇るフットボールクラブであり、1999年から2011年まで毎年平均14%もの成長を遂げている(デロイト・フットボール・マネー・リーグより)。

 彼らがここまでの成長をしてきた背景には何があるのだろうか。もちろん強いチームを作り続け注目を浴びたこともある。この点に関しては以前本コラムでも解説をしたので、今回は以前のコラムでご紹介した点以外にレアルが取り組んでいることに注目してみたい。成長するために、レアルはどのような取り組みを行っているのだろうか。レアルの年次報告書「Real Madrid 2010-2011 annual report」よりその活動のいくつかを以下にまとめた。

・プレシーズンのワールドツアーを実施
・グッズのオンラインショッピングサイトを整備
・ネックレス、ブレスレット、キーチェーン、財布、ドレッシングガウンなど新グッズを投入
・ホームスタジアムのエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウのスタジアムツアーを企画。2010/2011シーズンでは75万人以上が参加
・スタジアム内にレストランなど充実した施設・エンターテイメントを併設
・年間9,000万以上のビジットがあるオフィシャルウェブサイトRealmadrid.comをはじめ、TV、モバイル、ソーシャルネットワークなどを整備
・オンラインメンバーサービスオフィスなどコアファン(メンバー)用の窓口を設置
・マドリディスタのロイヤルティプログラムのベネフィットを拡充

【次ページ】 世界各地で大学を設立、テーマパーク構想も。

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