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大学経営、テーマパーク建設も浮上!
売上世界一、レアルの多角化戦略。 

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葛山智子

葛山智子Tomoko Katsurayama

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photograph byReal Madrid via Getty Images

posted2012/09/19 10:30

大学経営、テーマパーク建設も浮上!売上世界一、レアルの多角化戦略。<Number Web> photograph by Real Madrid via Getty Images

レアル・マドリーのホームであるサンチャゴ・ベルナベウ・スタジアム内のトロフィー展示場。リーガ制覇32回、欧州CL制覇9回、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)制覇18回という抜群の実績と知名度が、様々なビジネス展開への推進力となる。

サッカーとテーマパークにシナジー効果はあるか?

 しかし、手当たり次第に事業を多角化するのではない。ここで非常に重要になるのは、自社の持つ事業と「シナジー効果」を効かせることのできる事業かを見極めるということである。

 その点について、再度レアルの多角化事業をみてみよう。

 彼らの教育事業は、どのようなシナジーを効かせているだろうか。

 ご存知のようにサッカーなどのクラブ運営で培ってきたノウハウを多くの人に還元でき、またその教育現場で研究された理論をクラブ運営に活かすこともできる。つまり、ノウハウの共有というシナジーを効かせていることが見えてくる。

 さらに「レアル・マドリー・リゾートアイランド」の建設に当たっては、世界でも屈指の規模になるレアルのファンにさらなるエンターテイメントを提供することになる。したがって、少なくとも顧客基盤というシナジーを効かせようとしていることは想像に難くないであろう。また、サッカーとテーマパークに共通するエンターテイメントマネジメントというマネジメントノウハウのシナジーも狙っているのかもしれない。

 両事業とも手当たりしだいの拡大ではなく、シナジー効果を考慮した多角化であり、これらの多角化事業を通して、「レアルコミュニティ」の構築のスパイラルアップを狙っているのではないだろうか。

セブン&アイはなぜ金融業に参入した?

 多角化について身近な事例としては、セブン&アイ・ホールディングスのセブン銀行がある。

 小売業を行ってきたセブン&アイ・ホールディングスは、多角化事業として金融業に参入した。この場合は、どのようなシナジーを活かしているのであろうか。セブン銀行のATMをみるとそのヒントとなる。セブン銀行のATMは、最大規模の店舗数を誇るグループ内のコンビニ「セブン-イレブン」などに設置されており、店舗という資産を共有してシナジーを効かせているのである。このようにシナジーをどう効かせていくのか、ということが非常に重要になる。

 今回は、成長戦略、その中の多角化、多角化するときの留意点について考えてきた。これらが、読者の企業の真の成長ストーリーを描く際の参考となれば嬉しい。

今回のポイント

◆成長のストーリーを描くときには、全社視点で事業の成長バランスを見ることが重要

◆成長の方向性には、市場浸透、新製品開発、新市場開拓、多角化(新規事業)などがある

◆既存のコア事業の成長には限界があるので、コア事業から利潤が出ている間に新規事業への投資を検討することも重要

◆新規事業の検討をする際には、どのようなシナジー効果を効かせるのかの検討が必要

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