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レアル上層部を“先制口撃”!!
モウリーニョ監督就任の舞台裏。 

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中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

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photograph byMutsu Kawamori

posted2010/06/03 10:30

レアル上層部を“先制口撃”!!モウリーニョ監督就任の舞台裏。<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

5月31日、ベルナベウで就任会見に臨むモウリーニョ。会見は希望通り報道陣のみを対象としたものだった

 ペジェグリーニ監督の解任を発表したレアル・マドリー会長フロレンティーノ・ペレスは、その席上で後任を明かした。3日後の5月31日、その新監督がチームから正式に発表された。

 ジョゼ・モウリーニョである。

 ポルト、チェルシー、インテルと異なるリーグでタイトルを獲得し、今季は自身2度目となるチャンピオンズリーグ制覇も成し遂げたモウリーニョは、世界で最も注目を集める監督だ。

 歯に衣着せぬ物言いと、必ず結果を残す有言実行ぶりは、これまで多くの愛憎劇を生んできた。45年ぶりに欧州の頂点に輝いたインテルにとって彼は伝説となり、CL連覇を阻まれ、舌戦を仕掛けられたバルセロナにとっては憎き敵である。そんな彼がレアル・マドリーにやってきたのだから、来季も様々な話題を振りまいてくれることだろう。

 手始めに、ペレス会長が企画したサンティアゴ・ベルナベウでの“お披露目”を、「盛大すぎる」と断った。その一方、「監督の要求を満たすために全力を尽くすのがクラブの仕事だ」と、ペレス会長、そしてGMのバルダーノを牽制した。

地元紙のインタビューで、赤裸々に答えたモウリーニョ。

 地元紙ASのインタビューには、周囲が聞きたがっているテーマに対してかなり具体的に答えている。レアルのサッカーはどう変わるのかと聞かれて、こう答えた。

「重要視するのはバランス。そのためにまずディフェンスを整備したい。タイトルを獲得するには高い守備力が必要だ。それができた上で攻撃に着手する。だが、私のチームは守備的にはならない。ボールを支配し、試合を制するチームを作る。どのチームの真似をしようとも思わない。最良の姿を求めることで、レアルにとってふさわしいスタイルが導き出されるだろう」

 CLを制したとはいえ、準決勝でバルセロナ相手に攻撃を捨て、バイエルンとの決勝でも「ボールを支配し、試合を制するチーム」ではなかったことから、スペインでのモウリーニョ像は、守備的な監督として固まっている。これまでモウリーニョが堅守速攻のスタイルで率いてきたチームのようだと、たった一度の引き分けでファンやクラブ関係者の怒りが爆発してもおかしくない。'06-'07シーズン、就任初年度で4シーズンぶりにリーガタイトルを獲得したにもかかわらず解任された、現イングランド代表監督のファビオ・カペッロ時代がそうだったように。

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