オリンピックへの道BACK NUMBER
候補7人を絞り込んでいく基準は?
男子マラソン、五輪代表選考の行方。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT
posted2012/03/06 10:30
びわ湖毎日マラソンで、前にいた中本健太郎をラストスパートで抜き去る山本亮(写真右)。3桁の番号が記されたゼッケンが、山本が一般参加ランナーであることを表している。
選考基準の「五輪で活躍が期待される選手」とは?
前田は、東京で今回の中本よりも速いタイムを出しているが、福岡での結果を考えると、安定感に欠けるきらいがある。また、前田は福岡を勝負の場と考え、失敗したことで東京に出場し、まずまずの走りを見せた。言って見れば、本命のレースでうまくいかなかったということだ。調整能力を問われるかもしれない。
夏場の暑い時期の世界選手権で7位という結果を残し、本来はオリンピックに近い選手と言われていた堀端にとって、びわ湖毎日の結果は痛かった。
また川内は、ときに見せる粘り腰や競技に対するスタンスには惹かれるが、好走した福岡でもタイムという点で劣っているのは否めない。
ただ、代表の選考基準は「オリンピックで活躍が期待される選手」ということしか明らかにされていない。選考大会のそれぞれの選手の走りのどこに着目するか、どう分析するか、それ次第で人選はかわるだろう。
最低限、選んだ理由は明確にしてほしい。
そして、4つの大会を選考レースに指定し、結果や内容などから総合的に判断して決めるという方式は、選考する立場の人々の責任を問うものである以上、五輪後の総括も重要である。
マラソンの男女代表の発表は、来週3月12日。
4年に一度の舞台を目指してきた選手たちの誰が切符を手にするのか――。