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候補7人を絞り込んでいく基準は?
男子マラソン、五輪代表選考の行方。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAkihiro Sugimoto/AFLO SPORT
posted2012/03/06 10:30
びわ湖毎日マラソンで、前にいた中本健太郎をラストスパートで抜き去る山本亮(写真右)。3桁の番号が記されたゼッケンが、山本が一般参加ランナーであることを表している。
4つの選考レースを終え、代表に選ばれる2名は誰か?
こうして、4つの選考大会が終わった。
各大会の主な選手の成績はこのようになっている。
<'11年9月4日 テグ世界選手権>
7位 堀端宏行 2時間11分52秒
10位 中本健太郎 2時間13分10秒
<'11年12月4日 福岡国際マラソン>
3位 川内優輝 2時間9分57秒
4位 今井正人 2時間10分32秒
6位 前田和浩 2時間11分46秒
<'12年2月26日 東京マラソン>
2位 藤原新 2時間7分48秒
6位 前田和浩 2時間8分38秒
14位 川内優輝 2時間12分51秒
<'12年3月4日 びわ湖毎日マラソン>
4位 山本亮 2時間8分44秒
5位 中本健太郎 2時間8分53秒
11位 堀端宏行 2時間10分5秒
この中では、選考大会中トップとなる日本歴代7位のタイムをたたき出した上に、後半ペースをアップし、競り合いにも勝って2位という内容も好印象を与えた藤原は代表に最も近いと言える。
さらに、粘り強い走りを見せた今大会の山本も、日本陸上競技連盟の尾縣貢専務理事が「あれだけの頑張りは高く評価したいです」と語っているだけに、本人の念願がかなっておかしくはない。
成長のしるしと安定した走りを見せる中本も有力候補。
この2人以外の選手はどうか。
中本は、昨年3月のびわこ毎日マラソンでは日本人選手2位となる4位、世界選手権で10位となったように、安定した走りを見せてきた。また、昨年のびわ湖で2時間9分台を初めて出し、今年の目標としていた2時間8分台も達成と、着実に成長していることも好材料だろう。
マイナスの材料があるとすれば、2つの大会どちらでも日本人最上位ではないこと、びわ湖で最後に山本に抜かれたことなどだが、それでも有力な候補と言えるのではないか。