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香川真司が昨季より更に進化した!
絶好調の要因は剥き出しの「エゴ」。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byItaru Chiba
posted2012/02/03 10:31
19節現在、香川は6ゴール、6アシスト(リーグトップタイ)をあげ、チームも2位につけている
メディアはレビアー・ダービー以上の高評価を。
ホッフェンハイム戦直後の月曜日、『キッカー』誌、『ビルト』紙、『レビアースポーツ』紙などが香川に最高評価となる1点(6が最低点)をつけ、週間ベストイレブンを選定している主要メディアでは全てベストイレブンに名を連ねた。さらに『キッカー』誌では「マン・オブ・ザ・マッチ」と、毎節1人だけに与えられる「今節のMVP」の称号も手にし、『ビルト』紙日曜版ではホッフェンハイム戦で香川が決めた2点目のゴールが「今節のベストゴール」に選ばれた。
さらに、レビアー・ダービーの際には唯一、香川に1点ではなく1.5点をつけた、ドルトムントに本拠地を置く『ルールナハリヒテン』紙も今回は1点をつけた。ベストイレブンにも選出したことは言うまでもない。
香川がドイツに渡ってから最大のハイライトとなったレビアー・ダービーの際の評価をも、ついに上回ったのである。
パスという武器も手にした香川の存在感はさらに大きく。
今季前半戦に香川のアシストが昨季よりも増えたのは、意識して取り組んでいたからでもある(できるならば雑誌Number796号のインタビューを参照されたし)。ただ、それだけでは満足できないし、ゴールを狙っていくと香川は誓ってもいた。
パスも出せる選手という一面を相手に見せてきたからこそ、相手ディフェンダーはパスもシュートも警戒しなければならなくなった。そうなれば、シュートとゴールへの意識が先行し、相手がシュートばかりを警戒していた昨シーズン以上に香川は怖い選手となる。
昨シーズンの前半戦、ブンデスリーガ公式サイト選定のMVPに選ばれるなど、ドイツ中のメディアにKAGAWAの名前が躍っていた。
しかし、あのときドイツで鳴り響いていたKAGAWA協奏曲は、ひょっとしたら“序曲”に過ぎなかったのかもしれない。