杉山茂樹のサッカー道場BACK NUMBER
欧州CLのCSKA対インテル戦に見る、
強者との試合を接戦に持ち込む方法。
text by
杉山茂樹Shigeki Sugiyama
photograph byTakuya Sugiyama
posted2010/04/03 08:00
本田圭佑は見せ場なく後半25分で交代。試合は1-0でインテルが勝利した
CSKAに学ぶ、日本代表がW杯で番狂わせを起こす方法。
日本側にその自覚があるかどうかはさておき、相手3チームの選手およびファンは、日本を典型的な弱者だと見なしている。「日本には勝てるだろう」「日本には確実に勝っておきたい」。1勝を計算できる相手だと見ている。オランダは70対30、カメルーンは60対40、デンマークは55対45の関係で、日本戦を捉えているに違いない。
そんなオランダに対し、CSKAがインテル戦で見せたように、開始早々から55対45の関係に持ち込めればしめたものだ。不快感を抱きながらプレーする彼らを相手に、接戦は十分期待できる。
弱者である日本にとって大切なのは、開始直後、強者に「おやっ? 話と違うじゃん」と違和感を抱かせることだ。
肝心なのは開始直後。番狂わせを起こしたいなら、少なくともそこで後手を踏まないことだ。
インテル対CSKAの準々決勝を見ながら一番思ったことはこの点になる。注目は本田圭佑の活躍だけではないのである。