Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
<『Dear KAZU』出版記念> ペレイラ 「あのドリブルには本当に驚いたね」 ~カズへの6通のエール~
text by
藤原清美Kiyomi Fujiwara
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/12/17 08:01
『Dear KAZU 僕を育てた55通の手紙』刊行特別企画。
時に頼れる味方として、時に警戒すべき相手として、
同じピッチに立った6人の選手が送る6通のエール。
第4回は、カズがジェノアに移籍するまでの2年間、
共にプレーしたペレイラ(元・ヴェルディ川崎)からのメッセージです。
(写真:Jorge Ventura)
僕がカズを知ったのは、彼がサントスでプレーしていた時だ。僕はグァラニーにいて、サントスホームでの対戦だったんだけど、彼がゴールを決めて僕らは敗れた。カズのドリブルを見たときは本当に驚いたね。
ヴェルディでは、カズがジェノアに行くまで約2年一緒にプレーしたんだ。
Jリーグには多くのブラジル人がいたけど、彼にはブラジル人がどんなプレーをするか、何を考えているかが分かったんだと思う。しかも、それを自分のプレーに活かすだけじゃなく、若い選手にも伝えていた。彼は他の選手と本当によく話をしていたね。ポルトガル語もペラペラだったから、僕らもとても助けられたよ。
カズが、もう44歳だって? いや、彼も年を取ってきたね(笑)。
ヴェルディの選手たちは、当時のペペ監督の指導が終わった後も、いつも選手だけで練習をしていた。シュート練習や競り合い、FKの練習。そんなふうに、彼は選手のお手本だったんだ。特に試合に負けたり、ミスをした後は、もっと改善しようと、練習を重ねていた。
そのカズが、もう44歳だって? いや、彼も年を取ってきたね(笑)。カズはテクニックがあるし、サッカーを理解しているから、プレースタイルを確立しているだろうけど、プロとしてプレーを続けるというのは、簡単なことじゃない。今の日本サッカーの若い選手達にも、多くをもたらしているはずだ。カズ、心からおめでとうを言うよ!
文藝春秋BOOKS
KAZUはいかにして出来上がったか
ペレ、バッジョ、中村俊輔、香川真司……カズと関わってきた人たちが書いた、心こもる手紙。カズの“KING”たるゆえんが明らかになる
<本体1,200円+税/三浦知良・著>
▶ 書籍紹介ページへ(文藝春秋BOOKS)