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モウリーニョは攻略の方程式を示せず。
バルサに完敗したレアルが陥った罠。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2011/12/12 11:50
バルセロナの3点目のゴールが決まった瞬間。試合後には「試合を落とした理由は運だけだよ。1-0になった後、何度か2点目を決めるチャンスがあった。クリスティアーノ(ロナウド)に数度あったチャンスが決まっていれば……」と語ったモウリーニョ
モウリーニョ2年目のチームは確実に強くはなったが……。
誰もがタイトルに餓え、まだチームを作りはじめたばかりの昨季ですら、ホームで相手に主導権を譲る守備的な戦い方をしたクラシコ後には意見が真っ二つに分かれた。既にベースが出来上がり、結果だけでなくサッカーの質まで求めるようになった現在のマドリディスタ達は、最低限ホームでは主導権を握りつつ、その上で勝利を手にすることを求めている。それを承知だからこそ、今回モウリーニョは4-2-3-1での勝利に挑戦したはずだ。
今季のレアルは昨季より高い位置から組織的なプレスを仕掛けるようになった。自陣であれ敵陣であれ、ボールを奪った地点からあっという間に相手ゴールを陥れる速攻の精度も増した。モウリーニョ2年目のチームは確実に強くなっているが、それでもバルサとの間にはまだ大きな差がある。
昨季のようにコパ・デル・レイやCLでの対戦が実現するかは分からないが、少なくとも4月にはリーグタイトルを決定付けるだろうクラシコが待っている。果たしてモウリーニョは、その時までにどれだけチームを成長させることができるのか。マドリディスタ達が彼に注ぐ視線は、今回の敗戦により確実に厳しくなるはずだ。