日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
ザックが探し続ける遠藤の後継者。
ボランチの扇原貴宏は最有力候補!?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/12/01 11:20
アウェーのバーレーン戦、ホームのシリア戦ともに、存在感をシッカリ出していた扇原貴宏。欧州クラブのスカウト達も試合を見学に来ており、高い評価を与えていた
柴崎岳、山本康裕らも遠藤の後継者として急成長中。
しかしながら、扇原が近い将来、A代表に食い込んでいくにはすべての面でレベルアップが求められるのも、また事実である。
「フィジカルでもっと強くならないと」と試合後に扇原自身が語ったように、U-22シリア相手に競り負けているようでは先には進めない。ポジショニング、パスの正確性もさることながら、遠藤のようにゲームを打開できる力をこのU-22代表で培ってほしいものだ。
また五輪代表のボランチには、遠藤と「似ている」という点で扇原よりも近い19歳の柴崎岳もいる。
ADVERTISEMENT
パサータイプの柴崎は今回招集されなかったものの、鹿島アントラーズで著しい成長を見せているのは誰もが知るところ。視野が広く、パスセンスに溢れており、判断もいい。しかしフィジカル的には成長過程にあって、U-22代表としても経験が少ない。
もちろん扇原、柴崎だけでなく、攻守のバランスの良さや縦に向かう速さという点ではU-22代表としての経験も多い山本康裕の存在も忘れてはいけない。
攻撃的なポジションもこなせるなど彼もユーティリティー能力が高く、ザッケローニが好みそうなタイプではある。今後、U-22代表ボランチのライバル争いは激化していく一方なのだろうが、個々の切磋琢磨がチーム全体のレベルアップにつながっていくはずである。
扇原もまずは五輪代表でのレギュラー争いに目を向けている。
「ゲームを自分でつくっていって、チームの中心になれるような選手になっていきたい。そのためにも、もっともっと成長していかないと」
遠藤のにおいを少なからずとも感じさせるロンドン世代のボランチのなかで一体、誰か台頭してくるか。要、注目である。