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今季7試合で1勝だけのガンバ大阪。
FW陣総崩れで迎える序盤の正念場。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byHiroyuki Setsuda
posted2010/03/27 08:00
ガンバ大阪を率いて9年目の西野朗監督。Jリーグの監督在任最長期間記録を持ち、Jリーグ最優秀監督賞を2回、AFC最優秀監督賞も1回受賞している名将だが、このピンチをどう切り抜けるのか?
ペドロの退団騒ぎが他の外国人選手へ波及の可能性も。
ペドロ・ジュニオールは、2シーズン目の選手だが新潟戦は途中出場ながらまったく機能せず、途中交代させられた。交代後、ユニフォームを叩きつけるなど、不満を爆発させ、退団騒ぎにまでなってしまっている。これがさらなる引き金になり、監督と信頼関係をうまく築けていない他の外国人FWのメンタルにネガティブな影響が出てくることも危惧される。
さらに最も信頼の厚いルーカスは、新潟戦で膝を故障して約4週間の戦線離脱。
宇佐美は4月6日までU-19代表のアメリカ遠征に出た。
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平井は、ACLのアームドフォーシズ戦で自身初のハットトリックを決めたが、過去4年間リーグ戦でのゴール実績はない。
チームにフィットしないダブついたFW陣を整理し、新たに個人能力の高いFWを獲得するのか。それとも平井や未知数なFW陣の可能性にかけ、彼らのブレイクを地道に待ち続けるのか。いずれにせよ、このままFW陣が機能しなければ、何らかの決断を下さなければならないだろう。
昨季も序盤の躓きで優勝を逃したのに同じ轍を踏むのか?
昨年は、開幕5試合で2勝2敗1分とスタートでつまずいた。終盤、盛り返したように見えたが、それは相手が調子を落としてきてくれたおかげでもあった。遠藤は、V逸の原因として「この序盤の出遅れが最終的に致命傷となった」と、述べている。今季は、リーグ優勝を最優先に挙げているからには、これ以上の取りこぼしは許されない。
今週末の28日には仙台戦、続いて磐田、大宮とクセ者のチームが続く。この3試合を落とすようなことになれば、優勝争いに早くも黄色信号が点滅する。
果たして、救世主は現れるのか。
9年目の西野ガンバは、難しい舵取りを迫られ、早くも正念場を迎えようとしている。