なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
W杯を笑顔で勝ち取った佐々木監督。
“なでしこマネジメント”5つの法則。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byREUTERS/AFLO
posted2011/07/31 08:00
練習中、ふざけて走りまわる大野忍選手を追いかける佐々木則夫監督。多くの報道陣が押し寄せても、その明るいチームの雰囲気は変わらなかった
~その5~ 自分も楽しむ。
3年前の北京五輪では4位どまり。今大会はメダル獲得を狙っていた。
準々決勝で優勝候補のドイツを倒してしまっていたので、北京を超えるための準決勝・スウェーデン戦へのメンタルコントロールは難しかったはずだ。
だが、リラックスしていたのは佐々木だった。
ドイツ戦翌日、控え組だけのトレーニングがやけに長かった。響く楽しそうな声の主は、スタッフとサッカーに興じる佐々木のものだった。元気にボールを蹴ってはいるが、そこはやはり現役選手のものとは違う。
「少々お見ぐるしいところを見せまして……」と報道陣に照れくさそうに笑顔を見せた。
優勝した当日の深夜は、相当にアルコールを口にしたようだった。翌朝は、「ええ。たくさん頂きました」とほろ酔い気味に登場。渋い顔をする広報担当者のよこで「こりゃまた怒られちゃうな」と笑顔を見せた。
佐々木はいつでも、自分が楽しむことを忘れない。だからこそ、選手たちはあれだけ楽しそうだったのかもしれない。