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アジア3次予選「C組」の落とし穴。
ザックが直面する対戦国との因縁。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/08/03 10:31

アジア3次予選「C組」の落とし穴。ザックが直面する対戦国との因縁。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

U-22の五輪予選を中東で観戦していた時のザッケローニ監督。長年欧州で指揮を執って来たザッケローニ監督にとって、アジア予選の気候の複雑さは大きな壁となるかもしれない

 9月からスタートするブラジルW杯アジア地区3次予選の組み合わせが決まり、ザックジャパンはウズベキスタン、シリア、北朝鮮と同じ「C組」に入った。

 簡単ではないグループだ。いずれの相手にも過去、苦しめられてきた経験がある。

 第3ポッドのシリアには今年1月のアジアカップで手を焼いたことが記憶に新しい。結果的に2-1で振り切ったものの、シリアの規律ある組織的な守備の前に後半は劣勢だった。そして第2ポッドのウズベキスタンとは、岡田ジャパンの最終予選で対戦。ホームで1-1、アウェーで1-0と1勝1分けながら、試合内容で完全に上回ったとは言い難い。ウズベキスタンはシャツキフ、ジェパロフと強力な攻撃陣をそろえており、先のアジアカップでもベスト4に進出している。勢いをつけている嫌な相手と言えよう。

日本をよく知るチョン・テセを擁する北朝鮮は要注意。

 このグループの印象を「簡単ではない」と強く思わせているのが、第4ポッドで入ってきた北朝鮮の存在だ。ポッドはFIFAランクで振り分けられるが、北朝鮮は115位ながら、タイ、シンガポール、インドネシア、レバノンの第4ポッド各国と比べれば実力的に格上であるのは明らか。アジアカップではグループリーグで姿を消したとはいえ、昨年の南アフリカW杯に出場した実績を考えれば第2ポッドぐらいに位置してもおかしくはない。チョン・テセ、リャン・ヨンギら日本をよく知る選手が攻撃の中心となっており、不気味この上ないチームだ。

 北朝鮮との試合では、ジーコジャパンでの最終予選の初戦(ホーム)が印象深い。大黒将志のロスタイム弾で何とか勝ち切っているが、北朝鮮のタフさ、しぶとさは強烈な印象を与えた。

政情不安定なシリアでアウェー戦が行なわれる可能性は?

 日本が戦う相手はいずれも組織力を持ち味としている。アルベルト・ザッケローニ監督は「我々が入ったグループは難しいグループに思えるかもしれないが、ワールドカップに行くためにはいずれはやらなければならない相手であるし、とにかくやるだけだ」とのコメントを発表。この相手を見てあらためて気を引き締めたのは、言うまでもあるまい。

 このグループが「簡単ではない」と思えるもうひとつの理由は、アウェーの問題だ。

 シリアは反政府デモによる政情不安に陥っており、同国のU-22代表は6月、ロンドン五輪2次予選トルクメニスタン戦のホーム試合を中立地ヨルダンで戦っている。現在も混乱が続くことから今回も中立地になる可能性は高いと思われるが、FIFAの判断次第ではシリアで戦う可能性も現段階ではゼロではない。

 もし、政情不安のシリアで戦うことになればサッカー以外のことで気を取られることも多くなる。たとえ中立地の開催となっても、その決定が遅れてしまえば準備に影響が出てくることは必至だ。

【次ページ】 中立地での試合となってもシリア、北朝鮮の連戦は過酷。

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