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プロ注目の左腕から名将復活まで!
甲子園の地方予選、近畿地区の見所。
 

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/07/14 10:30

プロ注目の左腕から名将復活まで!甲子園の地方予選、近畿地区の見所。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

始まったばかりの大阪大会では、5回参考記録ながらノーヒットノーランを記録している太成学院大高・今村信貴。最速146キロのストレートとスライダーが武器。すでに、巨人、阪神、広島、オリックスがドラフトへ向けた動きを見せているという

 高校野球界の勢力図はその時代によって浮き沈みがある。今強いのは九州、関東の両地区。'06年以降、選手権(夏の甲子園)の優勝回数は九州2、関東1、近畿1、東海1と競っているが、選抜(春の甲子園)が九州3、関東2、東海1なので、九州、関東地区の優位は疑いようがない。

 しかし、選手権の第1回大会が開かれてからの“過去96年間”というスパンで考えれば、高校野球界をけん引してきたのは近畿勢である。

 選手権だけに限れば、近畿勢の成績は606勝409敗、勝率・597、優勝30回と高い。他地区とくらべてみよう。

  勝数 敗数 勝率 優勝回数
九州 435 449 .492 8
中国 298 303 .496 8
四国 317 218 .593 11
近畿 606 409 .597 30
東海 301 261 .536 11
関東 581 522 .527 19
北信越 173 305 .362 1
東北 194 341 .363 0
北海道 66 136 .327 2

 勝利数、勝率、優勝数のどれをくらべても近畿勢がナンバーワンである。さらにダルビッシュ有、田中将大など、他地区の勝利に大きく貢献している選手も中学まで近畿地区にいた選手。日本の高校野球の“ヘソ”と言ってもいい地区が近畿なのである。

関西勢でリードするのは、やはり大阪。履正社と大阪桐蔭に注目。

 今年の近畿勢はどうだろう。これまで他府県のリーダー的存在だった大阪が今年も近畿をけん引している。その中でも選抜4強の履正社と個人技で対抗する大阪桐蔭が今年の大阪を代表する顔だ。

 履正社は飯塚孝史―坂本誠志郎のバッテリーを中心にしたディフェンス陣に安定感がありながら、攻撃陣もドラフト候補の海部大斗(外野手)、石井元(遊撃手)をはじめ機動力と強打を兼ね備えた選手が上位から下位まで揃い、スキのない打線を構成している。

 とくに注目しているのが海部。センターから左方向に集中する打球方向はやや気になるが、毎打席のように俊足の目安「一塁到達4.30秒未満、二塁到達8.30秒未満、三塁到達12.00秒未満」をクリアする脚力と、確実性を約束する捕手寄りのミートポイントは、逸材揃いの履正社の中でも異彩を放っている。

【次ページ】 大阪桐蔭のエースは身長197センチの右腕・藤波晋太郎。

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