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ただのデブと見くびるべからず。
中日・中田亮二の「きらめく才能」。 

text by

中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/02/14 08:00

ただのデブと見くびるべからず。中日・中田亮二の「きらめく才能」。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

50m走が6秒4の中田亮二。大学では主将を務め、その明るい性格で監督やチームメイトに愛された

 身長171cm、体重115kg。愛称は「ブーちゃん」。そのシルエットは、野球選手というよりは、まるで力士だ。

 昨秋のドラフト会議直前、中田亮二の元には、パ・リーグの1球団からしか進路希望調査書の依頼が届いていなかった。そこも、さほど高い評価ではなかったため、指名されるかどうか、中田亮は心配顔だった。

 だから、中日が3位という上位で指名したことは意外だったが、中田亮の実績からいって、その評価が決して不当だとは思わない。

 なぜなら、彼は、東都で通算103安打をマークした選手だからである。

東都で通算100安打以上を記録したのは79年間でわずか14人。

 東都で通算100安打以上をマークした選手は、79年の歴史で、わずか14人しかいない。85年の歴史を持つ東京六大学にはちょうど倍となる28人もいることからも、その記録達成がいかに難しいかが窺える。

 参考までに東都で100安打以上した打者を列挙してみよう。

 1位 133本 藤波行雄(元中日)

 2位 115本 高木豊(元日本ハム)

 3位 112本 大下剛史(元広島)

 4位 107本 佐々木正詞(日本生命)

 5位 105本 尾上旭(元近鉄)

 6位 103本 野村謙二郎(元広島)

 6位 103本 井口資仁(千葉ロッテ)

 6位 103本 村田修一(横浜)

 6位 103本 中田亮二(中日)

10位 102本 南渕時高(元オリックス)

11位 101本 亀井義行(巨人)

12位 100本 広瀬哲朗(元日本ハム)

12位 100本 今岡誠(千葉ロッテ)

12位 100本 大崎雄太朗(西武)

 そうそうたる顔ぶれだ。この内、中田亮を含む13名がプロ入りしており、唯一、アマチュア球界に残った佐々木正詞も社会人の名門・日本生命の主力として活躍し、全日本メンバーにも何度となく選ばれている。

【次ページ】 実力伯仲の東都リーグで打ち立てた中田亮の記録は本物だ。

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