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ガンバ・宇佐美貴史の移籍も濃厚。
バイエルンが欧州一を狙い大型補強!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/06/19 08:00
6月のキリン杯では出場機会はなかったものの、日本代表に選出された。その潜在能力に対するザッケローニの期待も大きい
2部の得点王ペーターセンをクローゼの後釜に据える。
さらに、昨季はドイツ2部のコットブスで25ゴールを挙げて得点王になったペーターセンをクローゼの後釜として獲得。バックアッパーの年齢は33歳から22歳へ、11歳も若返った。
懸案事項だった左SBのポジションについては、過去2シーズンは右SBを務めていた主将のラームを左SBにコンバートすることにした。かわりにジェノアから右SBラフィーニャを獲得。内田篤人が加入する前のシーズンまでシャルケの不動の右SBとして君臨していたブラジル人は、ドイツのサッカーに改めて適応する必要がない。手堅い補強である。
レンタル移籍濃厚な宇佐美貴史はドイツの時流にのった補強策!?
また、ガンバ大阪の宇佐美貴史の移籍も、成立寸前まで来ているという。
『ビルト』紙は「成立は決定的」としつつ、7月3日から始まるトレーニングキャンプから合流するだろうと報じている。買取りオプションのついたレンタル移籍での加入が濃厚だ。バイエルンの2列目にはロッベン、ミュラー、リベリーが並んでおり、いきなりレギュラーポジションを獲得するのは難しいだろうが、ロッベンとリベリーは怪我も多いため、バックアッパーとしてチャンスをうかがうことになりそうだ。
昨季まではトルコ代表のアルティントップがバックアッパーとして渋い活躍を見せていたが、ペーターセンと同じように、ここでも若返りを図っている。
現王者のドルトムントも、今月ユーロ予選を戦ったドイツ代表も、先発選手の平均年齢が24歳を下回っており、この国では若さが成功のキーワードとなっている。その意味で、宇佐美の獲得もトレンドに沿った補強策と見ることが出来る。
残すは、現在のチームの最大の課題となっているセンターバックの補強だ。
2010年W杯で途中からレギュラーを獲得したボアテンクや、チェルシーのアレックスなどに触手を伸ばしているという。どちらかを獲得できれば、来季に向けた補強は大成功と言ってよいだろう。
そんな中、心強いのは新監督ハインケスの存在だ。
レアル・マドリーにCLタイトルをもたらすなど、ドイツ人としては珍しい、海外クラブでの実績もある。3シーズン前の終盤戦、クリンスマン監督が解任されたために緊急登板した時は、任された5試合を4勝1分の成績で乗り切り、チームにCL出場権をもたらした。