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ガンバ・宇佐美貴史の移籍も濃厚。
バイエルンが欧州一を狙い大型補強!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/06/19 08:00
6月のキリン杯では出場機会はなかったものの、日本代表に選出された。その潜在能力に対するザッケローニの期待も大きい
バイエルンは恥もプライドも捨てて、タイトルを奪いにいこうとしている。
一昨季は国内2冠を達成し、CLでも決勝に進出。昨季は優勝候補として臨んだが、けが人やコンディションの整わない選手が続出して、本来の力を発揮出来なかった。昨年のW杯でクラブ史上最多の11選手を送り出したバイエルンには、ともに7試合を戦ったオランダ代表やドイツ代表の選手が多かったため、心身ともに疲労して、コンディション調整に苦しんでいたからだ。
ロッベンはW杯の怪我で前半戦を棒に振り、前のシーズンからW杯までフル稼働したシュバインシュタイガー、ラーム、ミュラーなども本調子とは言えなかった。一時は12位にまで順位を落とし、CL出場権獲得も危ぶまれるほどだった。
最終的には3位に滑り込み、来季のCLプレーオフ出場権を得たのだが、ドルトムントにホームで20年ぶりの黒星を喫するなど、リーグの脇役に過ぎなかった。
脇役から再び、主役の座へ。バイエルンは大胆な補強を進めている。
GKノイアーの獲得で、チームのアキレス腱は逆に強固な拳に。
今オフの最大の目玉はやはり、GKノイアーの獲得だろう。
シャルケが手を替え品を替えノイアーの移籍を阻もうとしていたが、バイエルンは粘り強く交渉を進めて、移籍を成立させた。元ドイツ代表のカーン引退後、このポジションはチームのアキレス腱であり続けた。
過去2シーズンは36歳のブットがいぶし銀の活躍を見せていたものの、足元の技術は一昔前の選手だと言わざるを得ない。バイエルンに残留することになったブットは、背番号1をノイアーにゆずることになった。
守備が盤石ではないチームにおいて、相手FWと1対1になってもしばしばシュートを止めてみせるGKの存在は大きい。シャルケが、一昨季のリーグ最少失点タイの成績を残し、14位に沈んだ昨季でさえリーグで下から4番目に失点数が少なかったのは、ノイアーの存在があったからといっても過言ではない。
ブッフォンやカシージャスなどの一流のGKが才能を認めるドイツ代表GKが加わったことで、バイエルンのアキレス腱は強固な拳に変わったのだ。
「個人としても、クラブとしても成功を収めるつもりだ」とノイアーの鼻息も荒い。