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ガンバ・宇佐美貴史の移籍も濃厚。
バイエルンが欧州一を狙い大型補強!
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNaoya Sanuki
posted2011/06/19 08:00
6月のキリン杯では出場機会はなかったものの、日本代表に選出された。その潜在能力に対するザッケローニの期待も大きい
CL出場権消滅の危機を救ったハインケス新監督。
ハインケスはチームにCL出場権をもらたしたその翌シーズンから、レバークーゼンで2年間にわたり監督を務めた。
初年度は前半戦を首位で折り返して、最終的には4位に。昨季はバイエルンを抑えて、2位でシーズンを締めくくった。2002年にはCL決勝に進出するなど2000年代前半には安定した成績を残しながら、'03-'04シーズンを最後に低迷していたレバークーゼンを引き上げた手腕は、高く評価されている。
現役時代のハインケスはブンデスリーガでG・ミュラーにつぐ歴代3番目のゴール数を誇り、ボルシアMGの黄金期を支えた。御年66歳の元ストライカーは、カリスマ性を持ち合わせた好々爺。ハインケスが選手に求めるのは、球際の激しさや攻守の切り替えの早さなど当たり前のもの。シンプルな課題を選手たちに徹底させる。ただ、当たり前のことを当たり前にやらない選手に対しては、厳しく接する。
「さぼっている選手は、それが前半であろうとも容赦なく交代させる。だから選手もしっかりやらないといけないと感じるんだ」
レバークーゼンの主将ロルフェスは、そう語っていた。
レンタル移籍から復帰のMFクロースは恩師の手腕で再生するか。
好々爺の特訓で成長する選手も少なくない。
「ドイツの至宝」と言われながら、伸び悩んでいたMFクロース。そんな状況に見かねたバイエルンは、レバークーゼンにレンタル移籍させることに決めた。ハインケスのもと、居残り練習で指導を受けたクロースは、一昨季には2カ月連続で『キッカー』誌の月間MVPに選ばれるなど、輝きを放った。一流選手だったハインケスは、才能ある選手を育てるのが上手いのだ。
昨季はレバークーゼンからバイエルンに戻ったものの、低調なパフォーマンスに終始したクロースだが、レバークーゼン時代の恩師が来たことで、来季は名門バイエルンで輝きを取り戻すのではないかと期待されている。