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岡田ジャパンの切り札を探せ!
森本、石川、佐藤寿の招集意図は? 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byUniphoto Press

posted2009/10/05 14:50

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今季、順調に得点を重ねる森本。A代表に呼ばれるのが遅すぎたくらいだ

岡田監督が口にした、森本、石川、佐藤寿への寸評。

 岡田監督は、この3人をどう評しているか。

森本評 「ともかくゴールを獲る、それにクロスに入っていく迫力というか、ゴール前での動き出し、裏への速さというのはいいものがある。ゴールを期待して選んだ」

石川評 「このメンバーでどうしても点を獲りたいというときに、中へ中へ行くパッサータイプが多いので、アウトサイドで勝負できて、点に絡める選手をずっと探していた。石川直には、ぜひチャレンジしてもらいたい」

佐藤評 「最後の10分でどうしても点が獲りたいとき、彼のゴール前での動き出しの鋭い感覚というのはほかの選手にはない、凄いものがあると感じている。こぼれ球からゴールを決める選手もいるけど、彼は自分で(チャンスを)つくり出しての点が多い」

“野人”岡野雅行のようなスーパーサブは現われるのか?

 先のオランダ戦で指揮官はスーパーサブ的な役割として起用してきた本田圭佑、興梠慎三を途中出場させたものの、攻撃が活性化することなく、ゴールにも結びつかなかった。ガーナ戦でも2人は得点に絡めていない。興梠は今回のメンバーから外れてしまい、本田の決定力の高さには目を見張るものがあるとはいっても、まだまだ指揮官の信頼を勝ち取っているとは言い難い。

 岡田監督は1997年からの第1次政権で“野人”こと岡野雅行をスーパーサブとして重用してきた。もともとはスーパーサブを大切に使い、その重要性を肌身で知っている監督なのである。

 スーパーサブは、チームにスイッチを入れる役割を担う。たとえば、今年6月のカタール戦、途中出場の本田が迷いなく仕掛けてシュートを打つことによって、チーム全体にシュートの意識が高まった。それ以降も本田はスーパーサブとして起用されることが多くなった。これをヒントに考えれば、短い時間でチーム状況を変えられるだけの影響力を持つ選手こそが、岡田監督が求めるスーパーサブ像だと言える。

 森本、石川、佐藤の加入でスーパーサブ候補が一気に増えた。だが、本大会でその役割を担うことができるのは、1人ないしは2人だろう。

 指揮官もオランダ遠征とは違ってこの国内3連戦では、状況を考えながら交代枠を積極的に使ってくるはずだ。スーパーサブとして指揮官のハートを揺さぶることができるのは誰だろうか。

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